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全員召喚して城攻め

 あはははは、セラフィーはまあ笑う。


 ヨーズはちょっと泣きそうである。セラフィーがスパルタなので。


 たぶんセラフィーが戦えば五メートル程度の身長の機人兵なんておもちゃでしかない。戦ってくれないけど。私が戦ったら終わるだろうが! とか拒絶されている。しかし機人兵は馬鹿みたいに召喚用機人兵を用意してあるらしく、また各種機人兵四千体以上が出てくる。


「いや、本気で無理とか死ぬとかなら私絶対助けるから……、うーん、楽しようとしたら強くなれねえぜ? 団長とかカートもまとめて召喚した。アポーツって魔法な。引き寄せる感覚のテレポート技っていうか」


「スパルタにも程がありませんかねえ?!」


「しかしまあ仕方ないのだろうよ」


 召喚されたガムマイハートは分かっている。この程度でセラフィーが出張っては団員のレベルの上げ所がないのだ。それは事実だ。セラフィーが鬼畜ではないという話ではないのだが。鬼畜だ。


「いいぜ。私が全部始末しても。お前たちがそれで良いって言うんなら。私が全てサービスしたらお前たちが成長できるんなら、いいぜ」


「そうなのだよな、できてしまう。我らのレベルアップの機会を潰されてしまう。それも真実。セラフィーは優しいからな。戦わせたくない」


「ガムマイさんが私のこと評価しすぎで笑える」


「?? いや、お前この程度なら一撃で滅ぼせるだろ? え、過剰な評価してる?」


「あー、味方がいなかったら全力の奥義出すんだけど、巻き込んじゃうからな。私って実は全力では戦えないのよね。味方も巻き込んで殺すから。つか世界壊せるらしいし」


「強いと言うのも難儀なのだな」


 難儀なのである。セラフィーが全力を出したら世界が滅びるのだから。適当に殺す、くらいに力は手加減しまくっているという意味が分からない状況だ。それで潰せない機人兵は厄介な敵なのだが。なんか手っ取り早く潰せる技がないもんかなとセラフィーも思ってる。考えた。やってみた。


「レイショット:100、絶対アブソリュート危機損害クリティカルダメージ道標ガイド、滅べ。『隕石の雨(メテオレイン)』」


 やってみてしまわれた。セラフィーの魔法は戦場そのものを駆逐する勢いであった。聖女である。物理より魔法が得意なのである。けっこうヤバい。どうしよう。とかセラフィーは自分で戸惑っていた。


「……やりすぎた?」


「お前すらそう思うならそうだろうよ!?」


 ヨーズは彼女の助けになりたかったのだが無謀だったらしい。強すぎる。ちなみに聖女と呼ばれるレベルの人は皆これくらいできる。聖女マウも滅びの魔法とか覚えている。この世界は普通に滅びそうである。


「えーと、さっきの俺との会話覚えてる?」


 ガムマイさんには悪いのだが面倒なのは嫌いなセラフィーなのである。潰せるのに眺めてるだけなのがすごいストレスだったし、そもそも機人兵はセラフィーの怨敵だ。黙ってみている選択肢などあり得ない。滅べ。ハンマーでぶん殴りたいところではあるのだが、簡単なほうでやっつけた。やっつけるっていい日本語だよね。そうしたわけで殲滅してみた。味方を巻き込まなかったので誉めてほしい。


「あー、城を破壊した方が望ましかったのか。分かった、潰す」


「お前絶対感覚おかしいからな?!」


 えー、ガムマイさん厳しい。とかセラフィーは思ったが逆である。やりすぎである。強すぎであった。尚本人に自覚がない。いいからお前大人しくしておけ、と言うべきか助けるならさっさと助けろ、と言うべきか経験値だけ積み上げたい、と言うべきか。本当に悩むのだ。いや、一旦攻撃に回ると絶対にやりすぎるのはすでに分かっているのだが。


「とりあえず城は潰しておくー。でぃばいんふれあー」


 たった一撃の魔法だ。それで全てが崩壊した。別に悪いとは思ってない。できることはやってほしかった、それは、事実なのだ。


 一旦手を出すと決めたら容赦と言う言葉はセラフィーには、存在しない。そうガムマイハートは学んだのである。良かったね。


 根元をディバインフレアで横薙ぎに払われた、ただそれだけでガラガラと崩れていく敵方の城。阿鼻叫喚の地獄絵図である。ちなみに町の人たちはとうに逃げ出している。この町はもうお仕舞いだ。


「さすがセラ、派手」


「うむ、さすが、魔法すごい」


「誉めるシーン選ぼうよナイスとナガルぅ」


「ヨーズ馬鹿ね、ファンってそういうものでしょ」


 ぺしりとヨーズの頭を撫でるアン。小さめのアンだと小人のヨーズは叩きやすい。


「いってえなあっ!?」


「なにか、でて、きた」


 崩れ行く城をハルが指差す。城の上部を必死に持ち上げているなにかがいた。半機人だ。


「ああ、あれがグリム伯爵か」


太陽爆発ディバインフレア


「ちょっ、容赦ねぇ~!!」


「わ、私マナポーション配る係。ポーション、飲む」


「ぐぼっ!?」


 敵を視認したガムマイハート、容赦ない攻撃を加えたセラフィーに突っ込むヨーズ、そしてなぜか壊れた機械人形のようにマナポーションをセラフィーの口に叩き込むスーシェル。


 愉快な紛争はダラダラした空気と共に終わった。王女の治療に行くか。セラフィーはポーション瓶(八センチくらい)を加えたまま次の職場にテレポートした。ヨーズたちはレベルアップしたが精神的に疲れきって突っ伏した。







 応援ありがとうございます。



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