表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

80/105

ヨーズの地域探索

 唐突に小人のヨーズ視点。



「ナイス兄さん別にオレと絡まなくてもよくね?」


「ヨーズ、小人族はエルフに嫌われてるとか思ってないか?」


「そういうとこが無いとは言えねえな。オレらチビだし」


「俺はセラフィーが好きだが」


「本人に言ってやれ」


 小さいからエルフにちょっと反感はあるのだが、セラフィーみたいな小さくても化け物がいる。あんまり身長だけで悲観してるのも情けない。分かってる。


(ローネルシアか……)


 アウスローナの首都、ローネルシアはいくつも問題を抱えている。ぶっちゃけ武闘大会なんてセラフィー一強たと思っているし、他の問題を解決してやるのがサポーターの勤めだとヨーズは考えている。


 地下組織から当たってみるか。


 ヨーズはわりと耳聡いのである。セラフィーたちが表で戦うなら裏側を抑える人間が必要だ。セラフィーが懸念していることをヨーズはすでに掴んでいる。


 マルジグラはなぜ機人襲撃のタイミングを掴んでいたか。本人が死んでる以上捜査は難しくなるが、逆に言えば機人兵関係者なんて二人しかアウスローナにはいない。


 ヨーズがセラフィーのことを気にかけている理由なんてひとつだけだろう。おっぱいが大きいからだ。じゃない、違うから。


 里をまるごと滅ぼされた彼女に同情しないわけがない。ヨーズの里も人神に滅ぼされた。その怒りはセラフィーと変わらないと思っている。


 なのでヨーズはセラのために戦いたいと思っているのだ。闇組織にアクセスをかけようとしている。


「ぶっちゃけオレってこういうの得意なんだよな」


 ヨーズのメインとなる職業は斥候だ。いろいろ探るのが得手である。セラフィーは独自の情報網を持っているので彼女より早く動こうと思うなら裏組織と繋がらないと駄目だろう。機人兵勢力と敵対している闇組織を狙ってヨーズは情報収集する。アウスローナは混沌としている国だ。敵対組織も絶対潜伏している。これはヨーズの勘だった。


 セラフィーの敵は潰す。暁のメンバーならみんなそう思っているはずだ。彼女の悲劇を許してはいけないのだ。彼女が夜な夜な泣いているのを知っているのだから。大切な家族を、村をまるごと潰された悲劇を、知らん顔していられるはずがなかった。


「だからなんでナイス兄さんついてくるの」


「セラのために動いてるんだろう? オレも協力する」


「あいつ絶対嫌がるから好きとか言うなよ」


「まあ団長が本命だろうしな」


「そりゃ関係ねえよ。助けたいから助けるんだ。ナイス兄さんもそうだろう」


「間違いない」


 セラフィー自身はそんなにモテてるとは思ってないんだろうな、とは思うが、助けたいのはもう、これは本能だ。あんな小さいのに頑張ってるセラフィーをみんな助けたいのだ。


 その結果としてナイスとヨーズは反機人の地下組織に入ることになった。反社会組織っぽいのが問題あるけど、まあ適当に情報を集めたら抜けるかな。


「とりあえずマルジグラのやつが機人兵の活動情報を掴んでたのは間違いなさそうなんだよな」


「貴族から情報を得ていたとは限らない」


「それもそうだけど」


 まあどうせ武闘大会は勝てないので弓兵の二人は捜査に走る。マイトも誘おうかな。まあ長剣で大会に出るんだろうけど。


「意外と情報入ってくるな」


「アウスローナは鉱山が多いから機人兵も活動的」


「やっぱりドワーフが襲われてるんだな」


「ドワーフが機人兵嫌いになるのも当然」


「討伐なら武闘大会に出ないメンバー集めるしかないけど、セラの耳に入れたら絶対討伐にいくよな」


「武闘大会に専念してもらいたい」


 セラフィーの活躍はヨーズやナイスも楽しみにしている。この情報は漏らせない。そもそも目的と違う。マルジグラがどこと繋がっているかを探っているのだ。情報はポツポツ上がってきている。マルジグラ本人が死んでるのでかなり限定的だが、セラフィーの苦悩は反機人兵組織にも知られていた。皆が協力的だ。


「やっぱりこっちでも聖女活動して人気が出始めてるみたいだな」


「セラは一日に回復できる人数が桁違い」


「あっという間に話題になるわけだ。それで情報も集まると」


「……セラはなんでも自分でやってしまう」


「そうなんだよな。オレたちのやってることは助けになっているのかな」


「……悲しいから気にしない」


「やるしかねえよな。手をつけちまったんだし投げ出すのも憚られる」


「とりあえず貴族から探ってみる?」


「うーん、どうも地下組織がいくつかあるみたいだからそっちを探ってみる。たぶんとっくに情報を掴んでる組織とかあると思う」


「情報屋もセラは抑えてる」


「ずいぶん行動が早いよな。やれることからやろうぜ」


「とりあえず半機人の貴族はこの二人」


「ふむ、トリエント伯爵とグリム伯爵ね。大物っぽいな」


「トリエント伯爵は第二王子派、グリム伯爵は第一王子派」


「めんどくさい派閥争いがあるんだな……」


「グリム伯爵には内紛の動きがあるらしい」


「アウスローナ貴族戦争好きすぎだろ」


「武闘大会に合わせた行動らしい。まあ潰すのには都合がいい」


「はあ~、傭兵家業にせいを出しますか」


 そしてヨーズとナイスは武闘大会に参加しないメンバーを連れて、紛争地帯に飛び込むことにした。斥候の二人はグリム伯爵領に潜入する。







 こういう、脇役の活躍をたまに書きたくなりますよね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ