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訓練、長柄

 次に副団長のガムマイハートとウィーたち長柄使いが訓練を始める。セラフィーは見学だ。誰も勝てないから仕方がないのだが。まともな打ち合いなんて誰もできない。エルダードラゴンと殴り合える個人はなかなかいないのだ。


「ゆくぞ」


「きなさぁい!」


 両者ハルバードで打ち合う。普通に考えて長柄武器は強いのだが、重く、長く、取り回しは難しい。戦場では強く、使いこなせれば一流だ。


 長柄の戦いで大切なのはやはり間合いだろう。的確に相手を薙ぎ倒す。この点を取ってめり込まない平たいハンマーを使っているのがセラフィーだ。ハルバードならわりと問題ない。味方がいる以上集団戦向きとは言えないと思うが、昔の戦士は一騎討ち重視だったんだろうか。まあセラフィーのように単騎突撃してしまえば問題ないし直槍なら槍衾のような戦術もあるのだが。


 蜥蜴獣人のナガルも交えて三者で打ち合いを始めた。セラフィーが入っていってもいいかもしれないが、残念ながらセラフィーに比べたら未熟だ。普通に強いんだけどね。


「長柄って間合いが広いから逆に積極的な戦いになりにくくてつまんないな」


「まあ安全マージン取るのが長柄の戦い方だろう?」


「私は突撃しまくるが」


「……セラフィーは基本から違うのだよな……」


 セラフィーの戦い方は最初から一対多を目指して組み立てたものだ。一朝一夕で真似されたら逆に困る。ダンジョンや個人戦じゃない、戦場こそがセラフィーが望むものだ。なので敵が一人より十人くらいのほうがかえって戦いやすくさえあるのだ。化け物である。


「長柄だからリーチを生かすのは当然なんだけどさ、やっぱり近くの方がダメージ出るだろ?」


「遠心力を加えて叩きつけるのもあるんだがな」


「先重りの長柄ならそうだけど、軌道が読みやすいのがな。大雑把な動きになっちゃったら結局威力はあるけど当たらないって羽目になる」


「ふむ」


 ガムマイハートは参謀なので戦うのは最後だが、やはり技術を少しでも積んでおきたいらしい。セラフィーは前線で経験値を積みまくっているので参考になる。


「ウィー姐さん、私とやるか」


「お願いするわぁ!」


 セラフィーが本気を出すとレベル百近い暁主要メンバーでも秒殺だ。なので形を重視した緩やかな動きでの打ち合いになる。暁メンバーに非常に好評だったりする。これなら実力もバレにくい。


「まずこう、下半身に向けて回転して牽制する」


「下がらざるを得ないわね」


「直突きでカウンターする手もあるな。ペースを自分に持ってきたらあとはそう難しくないだろ?」


「なるほどね!」


「長柄は素早く振れたら無敵なんだけど、先重りの武器だから振り回され勝ちになるんだよ」


「セラフィーはそれをコンパクトに振ることで手の幅を広げてるのねぇ」


「そうだよ」


 セラフィーはゼロ距離でも黒銀を振るう。習熟度がけた外れである。レベルの差だけでは語れない。セラフィーにしてみると地道なレベリングの過程で身につけた技ではあるが。


「セラは本質的に強すぎるのだな。レベルだけでも違いすぎるが」


「いやさ、レベル二百五十まで鍛えてたら武技も自然に身に付くよ?」


「そういうものか?」


 セラフィーも脳死状態で経験値を積み上げたわけじゃない。一戦一戦を大切にして戦いを肉体に刻んだから今の強さがある。レベルでさえ遅れを取っているのでは更にバフを積みまくるセラフィーとやりあうなど不可能だ。このバフというのも問題があるのだが。


 それはおいて、今回は武闘大会なのだ。セラフィーに勝てないまでも食らいつけるように鍛えたかった。セラフィーも積極的に教えてくれているのでチャンスではあった。


「攻撃範囲の広さこそ長柄の武器だろ? あんまり気にしないでブンブン振り回すのも手が広がるぜ」


「ほうほう」


「長剣とかはスピードあるから近寄ると駄目なんだけど、長柄なんだから近寄るなって話」


「そりゃそうだな」


 ガムマイハートはこういうところが真面目だ。身体能力はレベルの差もあってセラフィーに遥かに劣るが、その技だけはぐんぐんと吸収していく。


「ガムマイさんが結構手強そうなんだよな~」


「セラに勝てると思うほど増長はしておらんよ」


「敵じゃなくてよかったねぇ」


 にぃっと笑うセラフィーが可愛くてさすがのガムマイハートもドキリとした。まあ国に帰ると嫁はいるのだが。こう見えて貴族の当主だったりするのだ。遊び歩いているが。弟の方が政治に向いているので代官を任せている。


「長柄は振りが重くなり勝ちで速度がでないんだけど、遠心力で叩きつける兵器にしてしまうのはもったいないんだよ。コンパクトに使おうと思ったらやっぱり柄の動き、これを武器にするんだ」


「セラの場合あんまり感じさせないけどな、重さ」


「使いこなすってそういうことだろ。振れもしない重い装備するなって話」


「黒銀ってバカみたいに重たいよな?」


「持ってみる?」


 ガムマイハートは黒銀を持たせてもらう。……いや、総重量五十キロで二メートルの武器、持ってみるといい。重すぎる。こんなもん振れるか。


「そうか? まあ慣れたら振れるんだけどな、重さだけで頭蓋骨砕けるし便利なんだけど」


「まず振れないからな?!」


 ハルバードも大変な武器だ。使いこなすまでレベルを上げなくては駄目だろう。黒銀は人間の使う武器じゃないからな。どうして三十五キロのドワーフが振り回せるのか謎である。地の精霊仕事しすぎだろ。






 戦闘描写はしんどいですね。致命傷で済んでると思いたい!




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