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単独行動開始

 セラフィーは一人で動き回る人です。

 さて、セラフィーはカルヴァインに許可を取って単独行動を始める。調べものもあるし治療院での聖女活動は外せない。聖女ちゃうねん、と思っても自分でその立場を利用してるので言えない。


 今回のローネルシアでの目的は武闘大会であるので、訓練日程も組まれてはいる。期間が短いため、おそらくそれ以外は単独行動に近くなるはずだ。


 まずはレハナ伯爵領の情報屋モニカさんから教わったローネルシアの情報屋にアクセスした。


「はいいらっしゃい、アウスローナ東ダンジョン名物、良質なキノコを山のように取り揃えてるよ~」


「ダントンさんだったか、一番いい野菜をもらおう」


「はいよ! お嬢さんは噂のドワーフの聖女さんかな? ローネルシアにも聖女さんはいるよ~!」


 聖女はかなり高レベルにならないと就けない職業だ。そんな鍛え上げた僧侶というのは珍しい。おそらくこの大陸に二十人はいないはずだ。セラフィーは記憶に止めておくことにした。治療院に行けば会えるだろう。


「アウスローナには半機人の貴族は多いのかな?」


「二人だねー。第一王子派と第二王子派に一人ずついるよ」


「へえ」


 どちらかが敵のはずだ。マルジグラはこちらでもわりと手広く商売していたらしい。マルジグラと付き合った奴は潰す、なんてことはできるわけもないが、調査はさせてもらおう。金持ちの半機人貴族を潰すためにはより高位の貴族との繋がりは必要だ。


「出会いやすい上位貴族とかいるのかな」


「この国の第一王子は放蕩者で夜の酒場街とかでよく会えるよ~」


「王子なのに?!」


 とんだ遊び人である。しかしセラフィーと気は合いそうだが。今日はエリさんのステージがあるから駄目だが明日くらいに探しに行くか。今日は治療院と契約を交わしてこよう。そのままセラフィーは神殿へ向かう。聖女様には会えるかな?




 神殿の治療院と契約を済ます。治癒師用の白い制服に着替えてセラフィーは仲間の治癒師たちと顔を会わせた。


 一人だけ高い魔力の少女がいるのでおそらくは彼女が聖女だろう。なんと言うか、素朴な感じの娘である。聖女らしいといえば聖女らしいのかもしれない。乙女ゲーの地味系の主人公感があると言えば分かるだろうか。


 茶髪のボサボサショートヘアに目もブラウン。大人しげな田舎から出てきたばかりの少女のような素朴さに丸いタレ目。控えめな美少女だ。しかし魔力は莫大。うん、乙女ゲーの主人公だ。


 彼女の名前はマウというらしい。お互いに自己紹介する。向こうもセラフィーの魔力の高さは感じているらしくビクビクと怯えられたが、本質的には人好きなセラフィーなので壁は気にしない。可愛い女の子には弱いのだった。


 治療を進めつつ患者からも彼女たちからも情報を集める。セラフィーはヤミン男爵から教えられたとおり搦手から攻めることを覚えていた。


 今この国には三人の王子がいる。第三王子は公爵が養子に求めているため派閥に公爵がいるが王位は狙っていない。そのため上二人の王子の派閥が争っているようだ。


 第一王子も王位を求めていないのだが事情があって派閥争いは続いているらしい。マウに話を聞いてみる。


「んだぁー、はずかすぃーはなすなんづけんどもぉー」


 しゃべり方が独特だ。方言を無理に抑えてる感じがする。どこの方言かは分からない。


「おら、わたすぃが、ちょっと、第一王子さんと仲良くなったで~、王子さん継承権いらねがって言っとるのに~、なんか聖女と結婚すならやっぱ王位さづけみたいにいわれとるらすく~」


 ラスクは美味しいね。訛りが強くてあまり話に集中できないが聖女の立場は上位貴族に匹敵するもののようだ。私はそんな扱いうけてないぞ、とセラフィーはこっそり憤慨した。


「まあ好きなら駆け落ちとかありそうなものだけど」


「そったら大胆なことできねべな~」


 この世界の言語はスキルのはずなんだがなんでこんなに訛ってるのか、まあそれはスルーしよう。メインが他の言語圏のためこの大陸のスキルレベルが低いとかはありそうだ。


 マウと第一王子アレクはもうほぼ恋人同士になっているらしい。二人の間にはそれこそ乙女ゲーのイベントのようなことがたびたび起こったらしく、大怪我で死にかけてる王子を四回ほど助けたそうだ。四回も死にかける王子ってどうなの? 護衛が駄目なんだろうか。


 まだ第一王子と第二王子で継承権争いが続いているので暗殺されかかったそうだが。


 第一王子にもそのうち話を聞かないと駄目かもしれない。


「セラフィーさ、回復の手技うまいだなぁ。さすが聖女だぁ。おら、わたしぃ、自分以外の聖女に会うの初めてだからびっくらしただ」


「私もだ。やはり聖女になるだけはあるな」


「レベル八十超えたくらいでなんかなってたっけよ~。ダンジョンでお金稼いでたら知らない間になってたべぇ」


 訛りが気になるが声は高くてチャーミングだ。第一王子もこれに落ちたのだろう。F分の1の揺らぎだな。


 どうも孤児院に寄付するためにお金を稼いでいたら自然にレベルアップしたらしい。セラフィーのように戦闘こそが全てならもっと高くなったんじゃなかろうか。まだレベル100に至らないので休みの日にはダンジョンに潜っているそうだ。そのうち彼女とダンジョンに潜ってもいいかもしれないがローネルシアに滞在するのは一ヶ月なので難しいかもしれない。


 適当に情報を仕入れてからセラフィーは宿に帰った。エリのコンサートは予定どおり大盛り上がりだった。






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