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買い物

 キャラばかり増えますね。



「それでなんでお前がついてくるの?」


「出番がないんですセラ様! 聖女様!」


「聖女呼ぶなって」


 聖女セラフィーの裏拳で吹き飛ぶ勇者ルシア。意外と頑丈である。鼻血も出ていない。よだれはでている。みんなでお買い物のはずがパーティーで分かれることになって実はがっかりしているセラフィーである。寂しがりやなのだ。


「わふおん(出番ください)」


「みんながっつきすぎぃ」


「おんおん(そりゃウーシャンはドワーフ万能説唱えてたら出番あるけどねぇ)」


「それだけの出番も辛い」


「心配しなくても私らのパーティーが単独で動く日は来るよ」


 そもそも小規模とは言え傭兵団、仕事は他に取られてセラフィーパーティーは働くことがない。野宿にしてもセラフィーが一人で徹夜したり料理したりで、パーティーメンバー三人はやることがない。


「なんでこんなチビスケと一緒に行かないとダメなのかしら。師匠の気まぐれには呆れるわ」


「チビスケとはなんですか! 彼女はまごうことなき聖女ですよ!! ドワーフに対する種族差別、イェフタン氏に報告しておきましょう!」


「ちょ、別に師匠には逆らわないわよ!」


 文句を言ってルシアに説教されているのは新しいセラフィーパーティーのメンバーである。彼女は賢者スーシェル。エルフの金髪綠眼の美少女だが錬金術を極めた人物で、イェフタンの弟子である。エルフなのに小さく、ツインテールで貧乳なので幼女にしか見えないが。一応セラフィーよりは大きい。


 先日イェフタンは神の道に至るものとして錬金術をあげていたが、すでに錬金術師の弟子を取っていたらしい。セリナより口が悪いし、どうもセラフィーの事情を一切知らないようである。スーシェルとルシアはいがみ合っていた。


「気にくわないならその辺で泥でもこねてろ。師匠には使えねえって言っとく」


「なんですってぇ!? 私が錬金術を極め神の座にもっとも近い存在だと知らなくって?!」


「お前が戦場で役に立つイメージが湧かん。消えろ」


「し、師匠の命令よ! ついていくに決まってるじゃない! 錬金術の深奥を見せてあげる!!」


「やかましい。勝手にしろ」


 セラフィーはどうにもこの娘と相性が良くないようだ。そもそもセラフィーの実力を知らないし、彼女の実力も見ていない。買い物についてきてるのはポーションや魔道具の品質を見極めるのには彼女が一番優秀だからだ。祖母に錬金術師マワタを持つセラフィーですら及ばない。セラフィーもそこは認めている。


 だからこそ気にくわないのだ。技術があるのにどうしてこんな人間性になってるのかと。だが、セラフィーにしてみればそれこそ他人事なので突っ込む気もない。よって同じ不快なやり取りが繰り返されているのである。


「ポーションひとつにしてみても品質の良し悪しで味まで変わるからな、専門家は必要だろう」


「そうよ! 私に任せなさい!」


「聖女様にはポーションなんて必要ないんですよ! 回復お化けなんですから!」


「一応魔力無限ではないからな?」


 魔力回復大にしてもらったのは戦いに緊張感を持たせるためだ。無限ではない魔力はそれが尽きることを懸念して振る舞わなくてはならない。逆にそれがいい。何も考えずに戦うのは萎えるものだ。作業と変わらない。


「私らは武器の調達が主任務だ。まあ私は客だから暁にまるっきり従う理由はない」


「ならなんでそんな面倒な仕事受けたのよぉ」


「聖女様は武器に特に詳しいですがそもそも武器大好きなのですよ!」


「間違ってねぇが聖女言うな」


「うおん(仲間に入れて)」


「影に入ってろ」


「あ、セラ、お店あるよ」


「ふぅん、ドワーフの武器屋か……」


 セラフィーは里のドワーフは大好きだが町のドワーフ、いわゆるシティードワーフとは相性が悪い。腕がないのにイキっているというのがセラフィーの感想だ。セラフィー自身は鍛冶に傾倒してないがそもそも父親が神匠ハガネである。武器の質を見抜く目は十分一流だ。それだけはドワーフ以外に負けるわけにはいかないとも思う。


 セラフィーは少ししり込みしつつも店に入った。鉄の匂いがする。


「いらっしゃい」


 店番をしているのは若いドワーフだった。頑固親父の店とかではなかったらしい。


 店のなかを見渡す。槍にしろ弓にしろそこそこ良いものが揃っているようだ。セラフィーはさっさと暁の星の予備武器をかき集めてカウンターに置く。


「ドワーフだから分かるんだろうけど、うちの商品でもできのいいのだけよくも集めたな。高いぞ?」


「ハガネの娘のお墨付きをやるから負けろ」


「ハガネぇ?! 神匠ハガネぇ?!」


 ドワーフで神匠を知らなかったらモグリである。三人の神匠が鍛えた四本の神剣は鍛冶師なら知らない方がおかしいのだ。ちなみに黒銀はハンマーなので数えられていないが十分に神の武器のレベルである。


「まあ余裕で買えるんでそれ以上は値切ったりしないけどな」


「なんかうちの武器なのにツーランクくらいいいものばかりな気がしてきた」


「気のせいだろ」


 目利きが自分で一番良いものを選んだらそれは店のランクより高い品物が集まるのだ。デキの良いのだけを集めたのだから。逆に言えば残ってる商品はそこそこだ。店のランクは落ちそうである。


「ふうん、武器にも品質の差ってかなりあるものね」


「セラが選んだからわかるけどはっきり違うんだね~」


「わふおん(食べれない)」


「私も長剣いただきたいです」


「お前神剣持ってるじゃん」


 ルシアはどういう原理か心臓に神剣をしまってあるのだが、確かにとっさに戦うには時間がかかるので手持ちも必要かもしれない。スーシェルも錬金術を極めているので物を見る目は中々だ。ウーシャンはわりと頭がいいので鑑定してやれば物のよさは分かるし、スヴァルトはただの犬だ。


 ともあれ、あっさり武器を確保したのであとは暁と打ち合わせである。


 セラフィーはこの時には暁を離れることを予測していた。



 最後に八百屋に寄る。セラフィーは自分がマルジグラ関連で引っかかっていたものを思い出して、ある情報を依頼していたのだ。


 この情報が効果を出すのもアウスローナに着いてからである。






 出番が少ないセラフィーパーティーでした。



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― 新着の感想 ―
[気になる点] >よって同じ不快なやり取りが繰り返されているのである。 不快→不毛 ではないでしょうか?
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