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暁の星の人々

 今日もよろしくお願いします!



「セラフィーすごい人気になってきたわね」


 エルフの魔法使いセリナはポツリと呟いた。側にいた狼娘僧侶のアイリスはそれに反応する。


「町では悲劇の聖女、傭兵や冒険者からは人間要塞や人間破城槌。変わったところだと血塗れ聖女、最近はウーシャンさんがドワーフ万能説を広めてますしね」


「意味が分からないわ」


「いや、しかし大したもんだぜセラは」


 二人がお茶を飲んでいるテーブルの空いている席に犬大剣使いのパールがどかりと腰を下ろした。その向こうのテーブルにパールと訓練していたらしい蜥蜴人族の槍使いナガルが音もなく席に着く。セラフィーがほめられると嬉しいらしい。尻尾だけ騒がしく揺れている。パールはそれを、犬じゃあるまいし、と見つめる。その対面にはアイリスの弟、狼剣士カートがどかり、と座る。尻尾を挟んだらしく痛がりながら座り直してる。


「腹減った~」


「飯にする」


「街だと楽できるねえ」


 二人の間には女料理人パーバルが座った。賑やかになってきた。


「ん、セラフィーもカルヴァインもいないのか」


「デートじゃないの?」


 魔人族の副団長ガムマイハートと参謀の一人猫獣人のアンも来た。


「ウィーもいないしなにかしら。領主にでも呼ばれた?」


「いや、聞いてないが」


 いぶかしがるセリナだが副団長が聞いていない重要任務とかはありえなさそうだ。この場にいないメンバーをガムマイハートは頭の中で確認する。


 エルフの斥候ナイス、重装盾士のラング、兎弓士のマイト、小人弓士ヨーズ、輜重のハルレシオルことハル、セラフィーのパーティー勇者ルシアに妖精ウーシャンもいない。オオクロモリオオカミのスヴァルトはたぶん影の中だ。組み合わせがよく分からない。たまたまだろうか。


「ラングのオッサンとナイス、マイト、ヨーズは盾役と弓の連携でまだ訓練してるぜ」


「ハルとウィーはダンジョンアタックの打ち合わせしてるはず」


「それは聞いていたが、もう準備しているのか」


 パールとアンからの情報でさらに人数が絞られた。カルヴァインとセラフィーパーティーだけが行方が分からない。もう宿に帰っているのか?


「そういえば今日はエリさんのコンサートがあるな」


「夜からでしょう?」


 ガムマイハートが思い当たるのは夜の予定である。アンもそれは確認している。楽しみがわりと少ないこの世界、アイドルのライブとか見逃すわけにはいかない。アンは隠れオタクだった。


「そういえばなんの話をしていたんだ?」


「セラフィー人気がすごいねーって」


「ふむ、確かにな。わざと拡散した情報も多いが冒険者や傭兵は実力があれば認めるからな」


 セリナは話が振り出しに戻ったのでまたおしゃべりを始めた。人気があるのは良いことだ。だが行きすぎると不味いのはガムマイハートが指摘しなくともセラフィーたちはすでに感じ取っている。神殿や貴族勢力による取り込みの動きはすでに出始めていた。


「それよりもメシメシ~。唐揚げ定食くださーい」


「カートはもっと頭を使いなさい」


 お気楽なカートにアイリスは深くため息を吐く。脳筋のカートがアイリスをしっかり守っているのが不思議なくらいである。まあカートも唯一の肉親から離れたくないだけなのだが。その点はセラより恵まれてるとカートは考える。唐揚げのことも考えているが。ここの唐揚げはにんにくが利いている。衣もかりっと揚がっているが柔らかく、肉はしっかり火が通っているのにふんわり柔らかく、ジューシーなのだ。香辛料も白胡椒ベースで美味しい。アイリスは深くため息をいた。


「もう唐揚げのことしか考えてない……」




 一方その頃、セラフィーたちはカルヴァインと一緒にエリさんの買い出しに付き合っていた。あとでメンバーに知られたら大目玉を食らいそうだがしっかり自慢してやろう。ちょうどお昼ということでレストランに入る。


「私もエリさんのようなスター勇者になりたいものです!」


「無茶言ってんなヤメロ」


「ボクはセラフィーの歌を聞きたいな~」


「わふん(おなかすいた)」


「一度歌ってみるとハマるかも知れませんよ? 私も最初は無理やりコンサートさせられましたからね」


「セラって歌上手いの?」


「カルさんに聞かれたら死ねるくらい下手だな」


「そんなに?!」


「え~、聞きたいな~」


「今夜のステージで一曲どうですか?」


「えうああああ……好きっ無理ですぅ……」


「エリさんの前だとセラが壊れて面白いな」


 他の団員たちが噂しているのもしらず、セラフィーは静かに限界に達していた。





「む、なにか忘れられている気配がする!」


「ラングのオッサンみたいに濃いの忘れられるかよ」


「ヨーズも小人なのに濃いではないか!」


「濃い言うな!」


「俺たちは薄い」


「ナイス、俺も」


「マイトはウサギだし弓も剣も使えるのにな」


「戦闘はだいたいセラフィーが出たら終わるし」


「二人とももっと志高く持とうぜ……」


「うむ、我と筋肉を育てるのだ!」


「それは遠慮するわ」


「マッチョなエルフ、いや」


「兎獣人だから力はある」


 ラングは今日も一人悲しく筋トレした。




「買い出しはこれくらいでオーケイかしらぁ?」


「たぶん足りる。ダンジョンアタック、楽しみ」


「ん、あらあら、あれは団長とセラフィーちゃん?」


「あ、エリさんもいる!」


「抜け駆けよおおおッ!!」


 ウィーもエリさんのファンだった。オカマらしい剛脚でセラフィーたちを追いかけた。小人のハルは転けそうになりながら慌ててそれについていくのであった。


 暁の星は今日も平和である。






 メンバー多いので個別エピソード書きにくいです。好きなキャラはいますか?


 ブックマークと評価をよろしくお願いいたします! 頑張ります!



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