表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

44/105

新しい町へ

 セラフィーは普通の人間とでは勝負になりません。エリとイェフタンとサミーさんなら勝てますが三人とも人外ですね。



 レハナ市に着いた。ここで半年ほど暁の星傭兵団は滞在する予定である。セラフィーもこれに追従する予定だ。まあいくらかの戦場に飛び込んだのは前述の通りである。レベル以外の力と言うものはあるものだ。学習した。


 レヘナでまずセラフィーたちが行ったのは宿、晴夜の探索である。エリさんのライブに参加したい。暁の星メンバーも全員エリさんのファンになっている。


 すぐに暁の星傭兵団は晴夜の空き室を埋めた。晴夜は大繁盛である。


 セラフィーはエリさんのステージを楽しみにしつつ情報収集に当たる。ヤミン男爵から情報提供者の話は聞いていた。八百屋の女将に情報をもらい、情報を与える。報酬で買った瓜が高かったが(約三万円)甘くて美味しかったので良しとする。


 火事場泥棒してドワーフの里を滅ぼしたクソ野郎の情報を広げてもらう。いかに鬼畜だったか、おばあちゃんを殺し橋を落とした鬼畜だったか、広める。滅ぼしたいがそう簡単に死なれても不愉快だ。


 復讐を始めよう。


 セラフィーはまず神殿にアクセスした。半年間の契約、聖女の治癒魔法でレヘナの民は癒され、皆が聖女セラフィーの存在を知る。同時にドワーフの里が人と機人兵の計略により滅びたこともそれとなく広めていく。火事場泥棒により滅ぼされた話を広めていく。老婆を殺し錬金アイテムを盗み逃亡するために橋を落とした。ゆるされざる悪漢である。それとなく広めた。大きな声では言わない。本当のことだ。広まるのに時間は必要なかった。


 全ては事実である。セラフィーの癒しの力に対しての感謝と哀れみからもぐらの里と取引をしていた人族が非道を働いたことは広まっていく。商人だ。噂によるダメージは大きい。その噂が聖女から発せられているだけで事実と認識された。言い逃れのしようもなかった。事実だからな。


 セラフィーは、影で大笑いしているが、表は清純な聖女様。多くの民を癒し、救う。カルヴァインやガムマイハートも笑っていたのでセラフィーは殴っておく。誰が鬼畜ドワーフだ、と。


 もぐらの里の生き残り、聖女セラフィーの証言からマルジグラ商会はあっさりと商業ギルドからも一般の買い物客からも干されることになった。自業自得であるが。地獄を見るのはこれからである。


 ここで済ませていればまだ救いがあったのであるが、畜生には道理が通用しない。


 マルジグラが打った手はセラフィーの闇討ちである。セラフィー相手でなければ成功したかもしれない。クソうぜえ、とセラフィーも顔をしかめる。


 セラフィーなので当然粉砕するが。


「けけけ、可愛い聖女様じゃねえか」


「胸でけえ! 揉みてえ!」


「たっぷり遊べるさあ」


「ふむ」


 阿呆の考えることはだいたい同じらしい。セラフィーにしてみれば人間と接触するのがあり得ないのだが。人嫌いは伊達ではないのである。


 チンピラは三秒待たずに急所を蹴り潰されて転がった。セラフィーを相手にするのは無謀でしかない。残念ながらその情報はチンピラまで回っていなかったようである。可哀想に。


「しょっぺぇな」


 チンピラが物理でセラフィーに勝つことはおおよそ不可能であった。名声も高めているので下手な手は打てないし、かえってマルジグラ商会の名声が地に落ちただけである。


 セラフィーの復讐はじわじわと成立していた。ヤミン男爵の計略通りである。セラフィーはシンプルに聖女していく。……聖女ちゃうねん。私は聖女ちゃうねん。と、項垂れたのは後の祭りと言うものであるが。


「セラ、一応もぐらの里奪還の報酬がヤミン男爵から出てるのだが」


「いらねえ」


 そもそももぐらの里奪還はセラフィーの悲願でもあり、それで報酬までもらう気がなかった。もぐらの里の支配権はセラフィーが持てているのでそれで十分である。


 セラフィーはギルドの酒場でテーブルに顎をついて項垂れた。どうでもいいのである。本当は死にたいのだが。なのでやる気ゼロであった。


 セラフィーの気持ちを把握する上級メンバーは悲しそうだが、知らない下級メンバーにはやる気のない新人としか見えていなかった。いや、戦闘力は認められているが。


 セラフィーは団としての動きには従わず神殿の治療院で働いている。名声のためもあるのだがかなり儲けがあった。下級メンバーには嫌みに映ったろう。まあ実力が違うと言えば事実なのだが、不満がないかと言えばそうでもない。


 セラフィーは客将であるので本人がやめると言えば簡単にやめさせられる。しかし強いし頼りになるのも事実で、団長以下上位メンバーの覚えもめでたく。


 対立は深まるが逆にセラフィーに勝てるはずもなく。結局一部の下位メンバーもセラフィーを認めているために紛争は雰囲気だけで終わった。


 セラフィーが強すぎたのである。


「ここは、異世界、道具店」



 それにエリの歌声を聞けばだいたい喧嘩は治まった。暁の星傭兵団は今日も平和である。







 今日ももう一話ありますがそろそろストック尽きます。


 ブックマークと評価をよろしくお願いします!



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ