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黒の森ダンジョン

 寝てました。面白いところまで六話くらい投稿します。



 緑竜に連れられてセラフィーたちはダンジョンを訪れた。黒の森ダンジョンである。


 この黒の森ダンジョンで採れる物は精霊に(まつ)わる物。


 ダンジョンは黒の森だけでも五つくらいあるらしいが、ここが一番レベル上げに向いているらしい。


 そもそもこの世界のダンジョンとは、生物が管理している生物のように成長する洞窟を指す。各ダンジョンにはテーマと呼ぶべきか、傾向が存在していた。


 このダンジョン、黒の森ダンジョンと名付けられた迷宮では水、土、木の精霊に纏わる地形と魔物、ドロップカードが出現する。


 ダンジョンで魔物を倒した際には魔物の肉体は消え、ドロップカードと呼ばれるカードに変わる。このカードは、魔物本体の角や皮などの一部分か運が良ければ全体、魔石などのドロップアイテム、能力強化カードや魔道具、書物などの中から数種類が発生する。例えばゴブリンを倒したらゴブリンの角、小麦粉、筋力強化プラス1のカードをドロップ、と言うように、何枚かのカードが出てくる。これは強い魔物ほど枚数が多くなる。普通はゴブリンでは一枚か二枚だ。ドラゴンなら五枚や八枚まで出る。最強クラスのボスキャラなら二十枚超えることもあり得るらしい。


 アイテムカードや強化カードはレアドロップなので、概ね死体の一部と魔石だけしか手に入らないのだが。この死体カードは全体ならそのままインベントリで肉や骨、角、爪、血や内臓、魔石のカードなどに解体できる。なので全体はまずドロップしない。


 フィールドではカード化はしないしアイテムドロップなどもないが獲物の全体が手に入るし、ダンジョンには物質のカード化ができるアイテムも存在していて、運送が楽になる。レアアイテムなので非常に高価だが。このカードからアイテムを取り出すには必要なスペースを広げてカードを破るといい。


 セラフィーはこの管理型ダンジョンに挑むのは初めてだった。少しワクワクする。


「そう言えば緑竜さんの名前は?」


『私? サミーって呼んで~。お母さんから二文字もらったの~』


「やっぱりすごい長生きなの?」


『私は四百才くらいで若いよ~』


「意外に若い」


 エンシェントドラゴンと言うくらいだから数万年も生きていると思っていたが、そんなこともなかったようだ。東の大陸では五百年前に統一戦争にエンシェントドラゴンが加担して大暴れしたという伝説が残っている。


『エルダードラゴンも二百才くらいのわかぞーなの~。倒したらまた迎えに来るね~』


「レベルはいくつくらい?」


『百八十くらいかな~。神と戦うなら倒せないとね~』


「……助かる」


 神の力の目安になる。しかしレベルはなかなか上がらなくなっていて百五十辺りからレッサードラゴン十体しとめても1レベルも上がらないのだが、二百までで何年かかることだろう? 先をみると少し目眩がする。


 ともあれ、ダンジョンだ。ワクワクする気持ちは止まらない。


「じゃあ、ありがとう。潜ってくる」


『もぐってら~』


 サミーさんに別れを告げて、植物の蔦が絡まった五メートルくらいの高さのカマクラのようなダンジョンの入り口に足を運んだ。入り口からまずは下り階段になっている。


 降りた場所は少し広い空間になっていた。高さ五メートル、幅と奥行きは十メートルくらいか。奥への通路と大きなクリスタルのような物が見える。どうやら五階層ごとにこのクリスタルで転送してもらえるらしい。タッチすると階層を選択できる。まあ今は一階だけだが。ゲームのようで楽しそうだ。


 この世界はステータスやレベルもそうだが、ゲーム的な作りになっている。なんでも祖神様がシステムを作り替える前は今よりもさらにゲーム的な世界になっていて、一回リセットして作り直してから輪廻の旅に出たのだという。その時にはレアなスキルがすべての人から失われ、軽く混乱することになったようで、その混乱を収めるために祖神教が生まれたそうだ。


 セラフィーは祖神教の教え、相手や神のためにこそ祈るべきというのが好きなのだが、誕生の経緯にはそんな問題も有ったらしい。


 さて、それではダンジョン一階、記念すべき一歩を踏み出そう。


 ……最初に出てきたのはゴブリン。素手。素っ裸。ぶらんぶらーん。ナイフで(首を)斬った。


「ええぇ~。雑魚じゃん」


「もっと深くなら強いの出るかも?」


「わふんわふん!」


「なんて?」


「汚いもの見せるんじゃねえ! だって」


「同意」


 たぶん黒の森で最弱の生き物から出てきたのだと思うが、ある意味最低の生き物だった。ちなみにスヴァルトはメスだ。


「気を取り直して行くか。」


「階層いくつあるのかな~?」


「くうぅん」


「めんどくさそう、だって」


「同意」


 おそらく奥にはかなり稼ぎの良い魔物がいるのだろうが、段階的に魔物が強くなるシステムらしい。奥まで行けばいいのだろうが、ひたすらに雑魚を相手にするのはかなり苦痛だ。格下の相手が出現しなくなる魔法が欲しくなる。威圧を常時ばらまくとかならできそうだが、弱い魔物には鈍感な魔物が多いのは事実だ。面倒くさい。


「いっそ自動で眠らせても良いけど、バカみたいに魔力食うんだよなぁ」


「できそうなのが怖い」


「わふん(同意)」


 燃費が悪すぎるので広域・拡大で魔法を使うのはご遠慮願いたいセラフィーである。めんどくさいから寝ていたい。


 そうもいかないので神聖加護を全員にかけて、少しでも奥へ。


 コボルト、フロッグマン、動く切り株、お化けキノコ、マッドマン、水馬ケルピー、バンシー、アルラウネ、生きた沼、シルクスパイダー、などなど。うん、水、土、木の精霊系統の魔物が多い。


 得られるものは食品関連のカードが多い。山芋とかドロップする。これはこれで美味しいかも。カエル肉、ニンジンなど根菜、コーヒー、上薬草、ハーブ各種、葉野菜、キノコ、山菜、豆、豆製品、絹糸、魔法繊維、などなど。高いものだとルビーとか金貨とかも落とした。


 いろいろアイテムカードが出るのでインベントリもいっぱいになりそうだが、これはなかなか楽しい。


 セラフィーは久々にハッスルしていた。






  ダンジョン探索はファンタジーのお約束ですね。


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