097【美味い飯とダルトンの罰】
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少し短いため、3話連続投稿します(1話目)
まぁ、昼時なので、昼食にすることにした。彼らも腹を空かせていたし。
まずは、スープ。というか、彼らは携帯食もなくし、食うや食わずで彷徨っていた。だから、スープと消化しやすいもの以外は難しい。
で、スープはいいが、消化しやすいものとなると、ちと時間がかかる。
彼らはスープをゆっくりと飲む。さっき水をがぶ飲みしたからな。
「美味いな。こんなところで、こんな美味いスープが飲めるなんて」
「マナミのおかげさ」とランドルフ。
そう言われて、笑むマナミ。調理の手を止めない。
「マナミを怒らせるなよ。飯抜きになるからな」とは、ダルトン。「それから」とオレを見る。「サブも、だ。このふたりはな、オレたちの仲間内では、“ギルマス落とし”と言われてる」ゲッ! なんてことを!
オレとマナミが、ダルトンを睨む。ビビるダルトン。
「い、いや、仕方ないと思わない? オレらの中でさ、侮られやすいって言ったらさ、君たちでしょう? やっぱり教えておかないとさ」
オレたちの顔が笑顔になっていく。さらにビビるダルトン。
「マナミ、どうするかは、任せるわ」
「ありがとう、サブさん。最近、ダルトンさん、働いていませんから、お仕事してもらいましょう。それからお昼と夕食、抜きましょうね」
「えっ!? 二食も? そりゃないよ! それに仕事、してるでしょう?」
「その」とマナミはダルトンの一部を指差した。「お腹が何よりの証拠ですよ、ダルトンさん」
見れば、ダルトンのお腹はぽっこりと膨らんでいる。顔もふっくらしている。食べているのに動いていないのだ。そうなるのも当然であろう。
自分のお腹を見て、肩を落とすダルトン。
「わかったよ。で、お仕事は?」
「そうですわね。サブさん、そろそろ獲物を処理しないとダメですよね」
「うん、そうだね」
「ゲッ! 解体ヤダよぉ!」と泣き言を言うダルトン。
「なら、ドラゴンでも狩ってきてくださいな。そうですね、エンシェントドラゴンあたりがいいでしょうか」とにこやかに笑む。怖い。
「グッ……解体いたしますです、はい」
ようやく観念したか。
「ゴブリンは免除しましょうね。解体終わったら、ご褒美をあげますね」
「うう、お願いします」
※ドラゴン
ウィキペディア参照。
エンシェントドラゴンは、古龍とも。
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