087【ガラス容器とエール】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
「サブさん、遅い!」とハルキ。
男子ふたりが入ってきた、裸で。
はいはい、とランドルフと出る。
「しっかり洗えよ」
そう言いながら、お湯を足す。
はぁい、と言う声を背中に、脱衣所へ。
そこでボディオイルを塗る。
「なんでオイルなんか?」
「皮膚の表面から油分が流されてしまっているから、そのままだと乾燥してしまうんだ。それでオイルを塗る」
「ふうん」
風呂場を出ると、三人がお茶を飲んでいた。オレたちにもくれた。どうやら水出しのお茶らしい。冷えてはいないが、爽やかな香りがある。
落ち着いたところで、マナミが聞いてくる。
「サブさん、ガラス容器ってありませんか?」
「ないなぁ。必要?」
「あればいいなぁ、と」
「“ピクルス”でも作るの?」
「あっ、それもいいですね」
「そういえば、ダルトン」
「ん?」
「ガラスはわかるか?」
「透明な緑の器かい?」
「いや、まぁ、それもガラスか。その器、高いのか?」
「安くはないねぇ」
「そうだろうな。ジョッキも木製だしな」
「ん? どういう意味?」
「向こうでは、ジョッキはガラスなんだよ」
「なんで?」
「さぁ。たぶん、ガラス製品の普及を目論んでのものじゃないか? でもキンキンに冷やして飲むエールは美味いぞ」
「聞き捨てならん! エールを冷やすだと!?」
「やってみる? まだ残っているし」
というわけで、やってみました。ランドルフも飲んでみたい、と言い出したので、ふたり用にゴブレットを出して、エールを注ぐ。
まずは、そのまま。いつもどおりのエール。せいぜい器の違いが目新しい感じ。
次にそのゴブレットごと、オレの出した器に入れて、その隙間にダルトンが詠唱して氷の礫を出していく。で、しばらく放置。
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