084【お風呂は煮物?】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
夕方になり、バスタブを確認。まだ熱を持ってはいるが、十センチほどの距離で手に感じる程度の温度になっている。
そこにオレが水を入れていく。すでに湖からアイテムボックスにしまっておいた。もちろん、フィルターで濾してあるよ。
しばらくしてから、水をかき混ぜて、水温を見る。ぬるま湯。
ここに収納しておいた金の延べ棒を投入。
ジュッ、と音がして、湯気が立つ。
この延べ棒は、バスタブを作ったあとに、男子ふたりに作ってもらい、すぐに収納しておいたもの。
十秒ほど待って、延べ棒、収納。
水をキヨミに水の魔法でかき混ぜてもらう。今度、かき混ぜ棒を用意しないとな。
湯温を確認。よし、ちょうどいい。少し熱いくらいだが、すぐに入るわけではない。
バスタブまわりには、すでに洗い場と更衣室と覆いを設置済。
夕食後。後片付けしてから、まずは女子。
よほど、うれしいらしく、キャッキャッとはしゃいでいる。
「そんなに、はしゃぐほど?」とダルトン。
「入ったこと、ないのか?」
「ないよ。あるわけないじゃん」
「普段は?」
「夏場なら川とかで、冬場は宿屋でお湯もらうよ。それで拭くぐらい」
「生まれてからずっと?」
「まぁね」
「なら初風呂だね」オレは、ニヒヒッと笑む。
それに怯むダルトン。
「な、なんだよ? なんか怖いんだけど?」
「そんな怖くないよ、若人」とわざと卑下してみる。
ムムムッ、と唸るダルトン。若者に年下と見られる侮られるというのは、彼とて気分のいいことではない。もうひと押しかな。
「まぁ、鍋の中で、煮込まれるのは、誰でも嫌だよな。いいんだよ、いいんだよ。若者だけで楽しむからさ。な、ランドルフ?」
「お、おぅ」
これで、ダルトンは年寄り扱いにされて、我慢ができなくなった。
「おぅおぅ、黙って聞いてりゃ、言いたい放題言いやがって! そんなもん、屁でもねぇや!」
はい、決まりぃ。
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