082【ゴブリンとエッヘ・ウーシュカ】
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少し短いため、3話連続投稿します(1話目)
鑑定に反応あり。ゴブリン四匹。オレが近い。すぐに結界を張る。
緑色の肌のゴブリンは、剣や棍棒を持っている。こちらを見つけて、さっそく近付いてきた。
オレは、雷爆弾・改を彼らに向けて、転がす。ひとつだけ。
ゴブリンたちは、足元に転がってきたそれを怪訝そうに見てから、こちらを見て、ニタァ、と笑った。
次の瞬間、雷が炸裂。
十秒後、雷が切れた。
ゴブリンたちは、全員死亡。
結界を解く。
「本当だったんだな」とダルトン。「魔導具で倒すって」
「ゴブリンって、素材、あるか?」
「ないよ」
「どうしたらいい?」
「穴掘って埋めるのが、定番かな」
「そんなに手間をかけるの?」
「まぁ、放置という手もあるけどさ。ほかの魔獣を呼び寄せることになるよ」
「湖に投げ入れたら?」
「ありだね」
オレは、ゴブリンを収納すると、波打ち際で、ゴブリンを放流。あとは、自然にお任せ。
ゴブリンは、特にキズをつけていないので、湖に変化はない。これで血が流れていたら、大騒ぎだろうな。
ゴブリンはプカプカ浮いて、流れていく。そのうち、沈むだろう。と思っていました。
任せた自然が現れたのですよ。デカいのが。ザブンッと水中から飛び出して、ゴブリン一匹を丸飲み。そのまま、水中に消えたのだ。一瞬でした。
唖然としていたら、何度も現れた。ゴブリン分。
容姿は、馬具を着けた白い馬の肩から上。その下は湖水の中なので見えない。
「エッヘ・ウーシュカだ!」とダルトンが叫ぶ。初めて聞く名だ。でも、脳内鑑定が反応。オレたちの世界では、“ケルピー”と呼ばれる魔獣の湖版とか。しかもこの個体はアルビノだとか。
ケルピーか。デカいな。
「初めて見た」と呆然としながら、ランドルフ。「伝説の類いと思ってた」
「見てのとおり、実在の存在だよ」とダルトン。「ただ、姿を見せるのは、なかなかないだけさ。ここにいるとは思わなかったよ」
「こっちに危険は?」と尋ねる。
「水に潜らなければ、たぶん大丈夫、かな」
「自信ないのね」
「モチ」
そこは断言して欲しいところだな。
「どっちにしろ」とランドルフ。「水浴びはやめた方がよさそうだな」
みんな、黙って、うなずく。
※エッヘ・ウーシュカ
湖の魔獣。ウィキペディア参照
※ケルピー
川の魔獣。ウィキペディア参照
※アルビノ
先天性白皮症。ウィキペディア参照
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