078【魔法の練習と魔法のない世界】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
食事を終えて、お茶して。
「さて、魔法の練習をしようか」とダルトン。
オレも交えた五人で、彼の指導を受ける。
それぞれのMPを確認。キヨミはもちろんだが、ほかの四人のMPは、充分に生活魔法が発動可能だった。
だが、ダルトンによれば、属性によって、得意な魔法が決まる、という。
属性は、火水土風光闇の六つがあり、できることは異なるそうだ。
ふむ、これもテンプレ。ということは、もしかしてあれもこれも?
テンション上がる!
結論。基本的な生活魔法は、みんな大丈夫。
そんな中で、ハルキは火、エイジは土、キヨミは水、マナミが光の属性が強い、とわかった。
オレ? オレは満遍なく生活魔法が使えます。得意な属性? ありませんよ。威力も低い。トホホ。
「あとはどんどんと使っていくだけだよ」とダルトン。「とりあえず、限界まで使ってね」
みんなで実践していると、オレはダルトンに止められた。
「お兄さんは、必要ないよ」と。
「いや、でも」
「君は、ふつうに使えるから大丈夫だよ。無理しないでね」と無言の圧力が。
そう言って、ダルトンは、四人の指導に戻る。
オレは、ため息をつく。
見ていたランドルフが慰めてくれる。
「おまえは魔導具を極めればいいじゃないか」
「魔法、使いたぁい」と拗ねる。
「使えるだろう?」
「もっとすごい魔法」
「威力の高い魔法か? おまえが使ったら、一発で魔力枯渇で倒れるな。それか、一発も出せずに倒れるか」
うむむ。
「でもなんで、そこまで魔法にこだわるんだ?」
「オレたちの世界では、魔法は使えないんだよ。生活魔法すらね」
「えっ? 本当か?」
「ああ。その代わりに“科学”といって、自然の理を理解して、それを使う。それはこの世界でも使えるだろう」
「どんなことを?」
「風の力で井戸水を汲み上げたり、水の力で粉を挽くとかだな。それからランドルフには信じられないだろうが、ワイバーンのごとく空を飛ぶ乗り物やシーサーペントのごとく海に潜る乗り物もあるんだ」
このふたつの魔獣は実在している。王城の報告書にあった。
「……ウソだろ」
※ワイバーン
ウィキペディア参照。
※シーサーペント
ウィキペディア参照。
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