076【魔導具の威力】
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少し短いため、3話連続投稿します(1話目)
「ありえないよ!」とダルトン。
彼の目の前には、美味そうな湯気を昇らせるマナミの料理の数々。それと調理器具ほか。もちろん、焚き火は燃えている。
すでに日も暮れていて、星々も無数に瞬いている。
「これがコイツらのふつうだ、ダルトン」とランドルフが宥めている。
オレたちは、何が?というふうに首を傾げている。まぁ、ほぼわかっているけど。
「その魔導具、何!」
「魔導コンロ」とオレ。
「どこから!」
「アイテムボックスから」
「違う! 城からか!?」
「これは」とランドルフ。「サブが作ったんだよ、ダルトン」
「どうやって!」
「コイツは、魔導具作りができるんだ」
「なんでだよ! 魔導具作りなんて、秘中の秘だぞ!」
「あのな」とランドルフは呆れている。「さっきも話したが、コイツのスキルは、生半可なものじゃないんだよ」
「それは聞いた!」
「んでだ、あの村のギルマスを倒したのもコイツの魔導具だ。おい、サブ」
はいはい、とスタンガンを出す。注意事項を話して、渡す。
「これが何?」
「起動すれば、わかるよ」
スイッチオン! バリバリバリバリ!
「なんだ、これ!」
「雷魔法だよ」とランドルフ。「それもコイツが作った。ギルマスが倒れたのは、この雷に打たれたからだ」
しばらく、雷のようすを見ていたダルトンは、ようやくスイッチオフにした。たぶん、魔石の魔力は底をついているな。
「すげぇな」と呆けている。
「ほかにもあるぞ。ウルフの群れに襲われたが、コイツの魔導具で、一網打尽だ」
「何それ! 見せろ!」
仕方なく、出す。注意事項を伝えて渡す。
ダルトンは、スイッチオンして、放った。十秒後、雷が走った。十秒後、自動的にオフ。
「なんだ、これ。これで群れを?」
「サブ、あん時、いくつ使った?」
「ええと、十二匹いたから、同じだけかな」
「十二匹!? それをどのくらいの時間で?」
「三十呼吸といったところか?」とランドルフ。
「倒すまでな。息の根を止めるのも含めて、時計の針、三回りとちょっとかな」
「たったそれだけ!?」
「その前にも襲われたが、八匹。魔導具は使わなかったが、コイツの指示で全員で倒した。以降、コイツがリーダーだ」
ダルトンは、呆然としていた状態から、真顔になり、うなずいた。
「サブがリーダーで理解した。王城からの脱出もサブが?」
オレは、うなずいて答えた。
「だろうな。その後の行動からも、サブがリーダーだとわかるよ。文句はない」
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