067【カードと泣きそうな女将】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
ウプッ。飲み過ぎた。腹パンパン。
ジョッキ三杯は来る。
ランドルフと四人が、近付いてくる。
「大丈夫か? 吐きそうな顔をしているぞ?」
「エール飲み過ぎた」
情けない、という顔をするランドルフ。
「ほい」とオレの手を持ち上げて、カードを載せた。
「なんだ?」
「ギルドカード」
「なにぃ!?」
オレはランドルフを睨んだ。
ランドルフが耳打ちする。
「ギルド公式の偽物だ」
「なんだ?」
「イザというときに出せ、とさ。オレもこんなのがあるとは、初めて知った。受け取っておけ。偽物だが、失効しないカードだそうだ」
「あぁ、そういうことか。わかった」
ホッとするランドルフ。
「ちなみに、ホモではないそうだ」
「当たり前だ。本物ならあんなことはしないさ。クズ野郎という意味だ。だが、本物のホモには申し訳ないとは思っている」
「あっ、そういうことか。ホモが嫌いなんだと思った」
「好きじゃないさ。どんなワルでも女の方がいいってだけだ」
「そこは同感」
オレはカードを見た。本当にC級だ。あの野郎。アイテムボックスにしまう。
オレたちは、宿屋に戻った。
「お帰り」と女将。ここには幼女はいなかった。
もう一泊する、とお金を出した。
「あいよ。ところでさ、部屋で料理するのはやめとくれよ。うちのはうまくないかもしれないけどさ、頑張って作ってるんだよ。なんなら厨房使ってもいいからさ、頼むよ」と泣きそうな顔で言われてしまった。
「すまん、女将」とランドルフ。「ここの飯が不味いわけじゃないんだ。コイツら、薄味でないと食べられないんだ」
「味付けを薄くすれば、いいのかい? いや、うちが困るか」と考え込む女将。
「いや、それなら外で買ってきて、部屋で食べるよ。それならいいだろう?」
「まぁ、それもダメ、とは言えないねぇ」
「あの」とマナミ。「厨房をお借りしていいですか?」
「ん? あぁ、いいよ」
厨房に案内してもらう。
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