065【握手とホモ】
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少し短いため、3話連続投稿します(1話目)
「あっ、そうだ」とオレは思い出した。「軍事国家なんだよね。ということは、素手でも強いんじゃ?」
ギルマスが顔を上げる。
「確か、ゴブリンなら一撃、オークなら数人で倒せるとか」
「素手でオーク、か。すごいな。勝ち負けは、こっちの冒険者の実力次第か」
「うむ。だが、バグラール国の兵士は、引き際をわきまえている。武器がなくなれば、少なくとも一度は引き下がるだろう」
「そっか。まぁ、これ以上はオレの仕事じゃないな」
「そうだな。ありがとう。助かる」
握手を求められた。しても問題あるまい。
手を伸ばすと、オレの手がガッチリとホールドされた。えっ?
「さっきの話に戻そう」
「なんだっけ?」
「冒険者として登録する、という話だ」
「いや、だから――」
「いや、絶対に登録してもらうぞ、魔導具使い」
「はい? 魔導具使い?」
「魔法使いの魔導具版だな。そして、ランクは……C級だ」
「オイオイ! オレは承諾してねぇぞ!」
ギルマスの手のホールドが外れない。
「しかも長年、冒険者だったが、冒険者を辞めて、商人になった」
「なんだよ! オイ! 離せ!」
ホールドは、緩まない。
「なぁ、サブ、そういうことにしようや」
「離せっ!」
オレはアイテムボックスから、スタンガンを取り出し、ホールドしているギルマスの腕に押し当て、スイッチオン!
「んがっ!!」
オレはギルマスを睨んだまま、スイッチを押し続ける。もちろん、オレも雷の電流を受けている。だが、威力を知っている。だから我慢できる。おそらくギルマスも。
だが、ギルマスのホールドは緩み、力を失くし、白目を剥いて、倒れた。
「クソッタレが!」
「オイ、サブ、なんともないのか?」とランドルフが心配してくれる。
「こちとら、コイツの威力を知っているからな。やった側の勝利だ」
「すげぇ。オレ、おまえを怒らせないようにするわ」
「そうしてくれ」
四人が引いてる。受付嬢も。
「それで」とランドルフ。「ギルマスは大丈夫か?」
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