639【そういう関係】
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今話は、短めです。
「そういえば、ジョージ」と話を変える。
「なんだ?」
「マナミは、どうしているのか、気になるんだが」
「マナミ嬢か? 特に連絡は来ていないが」
「そうか。いや、それならそれでいいんだ。ちょっと気になっただけだから」
ジョージがオレを見て、少し考え、口を開いた。
「もしかして、ふたりはそういう関係なのか?」
「関係って?」
「いや、男女の関係、という話だ」
オレはため息を吐く。
「あるわけないだろう。向こうは彼氏付きだし、こっちは彼女の倍以上の年齢だ。奪って関係を持つつもりなんかないよ」
「そうか。で、サブ自身は、誰かいないのか?」
「いないねぇ。欲しくないわけじゃないけど。たぶん、面倒なんだろうな。そういうやり取りが」
「そんな歳でもないだろう。サブくらいの能力があれば、それなりに相手はいるはずだぞ?」
「能力ねぇ。そういうジョージは、あっ、答えなくていい。わかったから」
奥さんのことを大切にしているのだろう。あと、シャーラちゃんのこともあるだろうし。
「マクレガウスは?」とジョージからマクレガウスに振る。
「オレか? 正妃も側妃もおるぞ」
「側妃もいるのか。あっ、いや、国王だもんな。跡継ぎを考えると、必要か」
「まぁ、そんなところだな。跡継ぎは、側妃の子どもを王位に就けて、正妃の子どもをその補佐に当てた」
「ん? ふつう、逆じゃないのか?」
「側妃の方が国の象徴向きでな。ところが、正妃の方は妃に似たのか、頭が良くてな。それでそういう形にしたのだ」
「なるほどねぇ」
「ほかにも子どもは多い。娘だったり、まだまだ幼かったりだがな」
「さすがに娘を王位には就けられないか」
「いや、長女を王位に就けても、それは構わなかったのだが、長女は王族という立場を疎ましく思っておったのだ。今は、侯爵家に降嫁しておる。ほかの娘たちは、まだまだ子どもでな」
降嫁というのは、王族が王族以外の臣下に嫁ぐことだ。なぜ、公爵家ではなく、侯爵家だったのかは知らんけど。
「へぇ。まぁ、考え方は、人それぞれだからな」
「そういうことだな」
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