061【ランタン改造と王宮魔導具師】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
ギルマスが口を開けたまま、オレを見た。オレ、変なこと、言った?
「もう一度、言ってくれるか?」
「あなたが聞いたままだよ、ギルマス。魔導ランタンを改良した」
「どうやって?」
オレは道具と魔導ランタンを出して、分解して、魔導回路を修整して、組み立てた。雷爆弾・改の完成。
おっ、呆然としているなぁ。特別なことをしたわけじゃないんだけどなぁ。
ランドルフを見ても、見慣れた作業で、顔色も変えない。
「サブ」とようやくギルマスが復帰。「おまえは、王宮魔導具師なのか」
「王宮? いや」
「魔導ランタンは、もともと王宮で開発されたものだ。そして、民間で生産はされているが、その仕組みは何ひとつとして教えられていない」
ゲッ! なんだよ、それっ。そりゃ、修整なんかしたら、びっくりするわな。
「ランドルフは、知ってた?」
「いいや。気にもしたこともない」
「“チート”っすよね、サブさんって」とハルキが呆れる。
否定はせんが、言い方!
「少なくとも」とギルマスが続ける。「サブは王宮関係者に関わりのある人間なんだな」
あっ、決定事項にされた。
「ランドルフ、ぶっちゃけてもいいかなぁ。ちょっと面倒臭い」
「そうだな。ギルマス、コイツは、というか、コイツらは先日、王宮で召喚された勇者一行だ」
ギルマスの目が“何、言ってるんだ、コイツ?”という感じになっている。わかるわかる。
「先日の王城の騒動もコイツらだ。ちなみにバグラール国の騒動もコイツらだ」
「あん?」
「オレが兄貴とやり取りしていたのは、知っているだろう? その騒動のことだよ」
「マジか」
「ウソだったらいいな、とは思うがな。だが、ウソじゃなくてよかった、とも思う。面白いからな」ニヤリと笑うランドルフ。
やっぱり面白がっていたのか。兄弟揃って、ろくでもねえな。まぁ、そんなヤツを奴隷にしている時点で、何も言えないか。
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