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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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604/648

604【後発隊の出発】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、ちと短めです。

 春も陽射しが暖かくなり、ナターシャの容態も今後の心配がなくなった。


 朝食を食べ、装備を整えて、玄関ホールに。そこでナターシャとランドルフにしっかりと釘を刺す。

「ナターシャ、薬は飲むように。ランドルフ、飲ませろよ」

「わかった」

「あと、軽い運動はいいけど、冒険者的な動作は、厳禁です。わかりますね?」

 ナターシャが大人しくうなずき、口を開いた。

「体内で患部が開いて、治癒できなくなります」

「そうです。そうなってもここには、治癒師がいません。いいですね?」

「はい」

「大丈夫だ」とランドルフ。「オレがそんなことはさせない」

「ランドルフ、おまえにも言っておくぞ。彼女を過保護に扱うな。ほどよい運動は必要だし、彼女が不満を溜め込むことになる。そうなったら、治るどころか、悪くなるからな」と釘を刺す。

「お、おう。わかった」

「それから、冒険者ギルドには顔を出すようにしとけよ。頻繁でなくてもいいからな」

「おまえたちの報告を待つ」

「あと、ドネリーに言って、冒険者研修をやらせてもらえ。そういうの、得意だろ」

「そうだな。話をしてみる」

「マナミは、なんかあるか?」

「ナターシャさん、ランドルフさんがウザくなったら、わかってますね?」

 ナターシャが笑顔でうなずいた。

「ええ。いい助言をありがとう」


 オレとマナミは、みんなに見送られて、屋敷をあとにした。これから、王都に向けて出発だ。


 冒険者ギルドに寄った。

 すぐに執務室にとおされた。

「その格好、出るのか」

「ああ」

「気を付けてな」

「ありがとう。それと、ランドルフからあとで相談があると思うが、冒険者研修をやらせてやってくれないか?」

「研修か。それはありがたい。S級冒険者のランドルフなら、引く手数多だろう」

「まだまだな冒険者が結構いるからな、この町は」

「ああ。助かる」

 それで冒険者ギルドをあとにした。


 徒歩で町門を(くぐ)り、ひとまず街道へと出る。

 索敵さんで、周囲に人がいないことを確認して、魔導バイクを出した。

「まずは試験飛行で行くよ」

「はい」

 魔導バイクは、すでにテストしてある。でもそれはちょっと飛ばしただけで、性能を試したわけではないので、ここからある程度試していくことになる。


 魔導バイクにふたりで乗り込み、まずは浮遊。充分な高さで、ゆっくりと前進。速度は、早足くらい。

 しばらくは慣らし運転みたいな感じで進む。

「スピードを上げるよ」

「はい」

 早足から駆け足くらいに。

「推進器も順調だな」

「前のバイクよりも静かなんですね」

「それなりの音がしていたからさ。防音結界を小さく張ってるんだ」

「あぁ、なるほど。それなら人には気付かれませんね」

「さすがに近付くと、わかるだろうけどね」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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