602【影縛り】
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今話は、短めです。
オレたちは、先発隊が出発したあとの日々を、三人で訓練していた。ランドルフとマナミとオレとで、交代で。
やはり、旅に出るなら、それなりに身体を動かしておかないと、何かがあっても対応が遅れてしまう。
相手が魔獣であれ、人であれ、対応が遅れれば、大ケガして、悪ければ死が待つ。
ランドルフから助言をもらった。
「サブは、闇魔法を極めたら、どうなんだ?」
「えっ、あれやるの?」
「いや、瞬間的なものじゃなくて、ほかの闇魔法だ。なんか、ないのか?」
「ほかの?」
鑑定さん? それなりにあるなぁ。
「なら、これでどうだ?」
ランドルフに向かって、闇魔法を使う。
「ん? 何をした?」と足を動かせないでいる。
闇魔法を解く。足に絡んだ魔力が突然なくなったのでランドルフがよろける。
「“影縛り”って闇魔法だ。弱いものだから、相手を拘束することはできそうにない。でもスキを作ることはできそうだ」
忍者の使う術に、影に苦無を打ち込んで動けなくするのがあった。あれは、言葉による暗示だと聞いたことがある。
「いいじゃないか。何度でも使えるか?」
「このくらいなら、十回くらいは使えると思う」
「練習して、把握しておけ」
「おう」
ランドルフが練習台になってくれて、何度も影縛りを放つ。
「十回も撃つと、魔力がかなり減るな」と息が上がる。
「これから毎日、やった方がいいな」
「そうする。手があるだけでも心強いよ」
「ああ。オレも盾を使った雷魔法は、これから使えると思った。まぁ、しょっちゅうは撃てないがな」と苦笑い。
ランドルフが、たまたま盾の性質を使った魔法攻撃を使えたのは、オレたちに取って、とても有益な技だった。まだ使ったことはないが。
「あれは、簡単には使えないからな」とオレも苦笑する。
そう、いくら盾を使っているとはいえ、あれは魔力消費が大き過ぎる。
強大な敵に対しての、最後の一手、という感じだ。
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