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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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575/648

575【ウーちゃんの機嫌取り】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


今話は、短めです。

 屋敷に帰ったオレは、すぐさま厨房へと向かった。女性たちが調理をする脇で、ちょっと作業する。


 夕食。もちろん、全員がいる。

 食事を終え、オレは立ち上がり、ウーちゃんのそばに行く。それからアイテムボックスから、厨房で作ったものをウーちゃんの前に置く。手のひら大の器に盛ったホワイトイエローの物体。

「ウーちゃん、ひとりだけ残そうとして、ごめんなさい」

 ウーちゃんが渋々、口を開く。

「本当じゃ。じゃが、サブの言いたいこともわかる。それで何も言わなかったのじゃ」

「うん、ありがとう。お詫びに食べて」

「なんじゃ?」

「甘くて冷たいお菓子」

「みなには?」

「ウーちゃんだけに作ったんだ」

 みんなを見るウーちゃん。

 みんなは、いろんな反応。美味そうとか羨ましいとか。そんな感じ。

「良いのかのぉ」と迷うウーちゃん。

「ウーちゃん、食べちゃって」とハルキ。「食べたら感想を頼むよ」

 みんなもそれにうなずく。

「そうか? わかったのじゃ」と笑顔でデザートスプーンを差し入れるウーちゃん。「おっ、意外と硬いのぉ」

 デザートスプーンに載ったそれを口に入れる。

「冷たいのぉ。甘いし、すぐに溶けてしまうぞ」

「サブさん、それは?」とエイジ。

「卵を白身と黄身に分けて、砂糖を入れて、泡立てて、両方を混ぜ合わせ、冷やしたものだよ。卵アイスだね」

「アイスって、牛乳で作るんじゃ?」

「牛乳以外でも」とマナミ。「作れるわよ。“豆乳”でも“ココナツミルク”でも。卵だけってのは初めてだったけど」

「新鮮な卵がないと」とオレ。「作れないんだ。その卵が、ここにはあるからね」

「レシピはわかったから、あとで作れると思うわ」

 それを聞いて、よろこぶみんな。

 そんな中、ウーちゃんは、ひとりアイスを楽しんでいた。


 お茶休憩。

 落ち着いたところで、話し出す。

「ダルトンとも話したんだが、今日のオーガをどうするかなんだが」

 全員が、身を乗り出す。

「討伐するか放っとくか。どちらとも決めかねている、というのが正直なところだ。そこでみんなの意見を聞きたい」

「現状は、どうなんです?」とエイジ。

「村のまわりで固まっている。村の中には入っていない。煉獄の実を置いてきたからな」

「なぜ、移動しないんだろうな」とハルキ。「村に何かあるのかな?」

「ケガ人がいて」とダルトン。「動くに動けないんじゃないかな」

「そこまでのケガを負わせた気がしないんですけど」

「みんなも?」

 うなずくみんな。

「村人の撤退を」とエイジ。「支援するための陽動作戦でしたから」

「だよねぇ」

 みんなからもいろいろな意見は出たが、埒が明かない。

「わかった。明日、全員で行ってみよう。その状況次第で、判断する。いいな?」

 全員がうなずく。

「ウーちゃんもよろしくね」

「わかったのじゃ」


 その話が終わったので、あとはゆったりと過ごす。


*卵アイス

  AllAboutというサイトで見つけた。

  「卵アイスのレシピ!

   材料は卵と砂糖だけ、

   簡単な卵のお菓子」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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