055【討伐部隊とオークの集落】
続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。
少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
翌朝。朝食を食べ、みんなで冒険者ギルドへ。馬と馬車は宿屋に預けてきた。
冒険者ギルド前には、二十二人の冒険者が集まっていた。みな中堅どころ、か。
ギルド職員が、参加パーティーを確認する。オレたち含めて、五パーティーが参加する。
そこに職員ふたりの総勢三十人。この職員ふたりも元冒険者だとか。
「指揮は、S級冒険者のランドルフさんです」と職員からの紹介。
それを制止しようとするランドルフを制する。
ランドルフに耳打ちする。
「こういうときは、リーダーしとけ。ここでわけのわからない人間、しかも商人が指揮するなんて、反発を食らうぞ」
「わかった」
「無理するな、と言っておけ」
「いいか!」と大声を発するランドルフ。「無理するな! 場合によっては、撤退もあり得る! 襲撃は何度でもできる! それを忘れるな! 以上だ!」
「出発!」
ギルド徴発の馬車に乗って移動する。
「よく言ったな、ランドルフ」と小突く。
「もとのパーティーのリーダーが言っていた言葉だ」
「そうか。よかったぞ」
ランドルフは、ちょっと照れてる。
昨日の現場に到着。
「ここで待機していてくれ。ようすを見てくる」
オレは、昨日の斥候隊のひとりと、森に入る。
だいぶ離れたところで、マジックバッグからローブふたつを出す。
「羽織ってくれ。“隠遁のローブ”だ。姿が見えなくなる」
「そうしたら、お互いに――」
「ロープを握る。それでなんとかしよう。それからこのマスクも被って。それでほぼ見えなくなる」
オレも彼もマスクをする。ローブのフードを被ると、全然わからない。
ロープを持った手を出す。
そのロープの端を持つ彼。
「行こう」
少し入ったところに、オークの集落があった。ランドルフから聞いたとおりだ。
洞窟入り口前に広場があり、いくつかの簡易な枝葉で作ったテントがあり、そこで寝ているオークが見える。
見える範囲に、総数二十七体。ということは、洞窟にもいる。ジェネラルかキングが。
洞窟は崖の下に出来ていて、崖の上にはオークの姿はない。
ロープが引かれる。
見ると、ロープを持った手が指差していた。そちらを見る。
オークが三体、歩きまわっている。警戒しているわけか。これで三十体の存在を確認。
ロープを引っ張り、身体を弄り、頭を見つけると、顔を近付け、「戻ろう」と小さく言う。頭を抑えている手の感触から彼がうなずいたのを感じ、静かにその場を離れる。
読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)




