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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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547/648

547【ケイナへの説明】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


2話連続投稿します(1話目)

今話は、少し短めです。

 翌日。

 ケイナを連れて、冒険者ギルドに。

 すぐにギルマス執務室へと案内された。

「剣士のケイナだ。彼はギルマスのドネリーだ」とふたりを紹介する。

 ふたりがよろしくと握手する。それでソファーを勧められた。

 ソファーに腰を下ろすと、目の前にドネリーが座る。

「ケイナは、ソロだったんだって?」

「そうだ」

「なぜ、パーティーに所属しなかった?」

「冒険者ではなかったからな」

「しかし、剣士なのだから、誰かに師事していたのだろう?」

「父が師だ。名は控えさせてくれ」

「訳ありか。わかった。別に詮索しているわけじゃねえよ。サブ、どのくらいの付き合いだ?」

「ひと月くらいかな」

「なら、だいぶケイナのことをわかったな」これは確認だな。

「それなりに」

「信用は?」

「してるよ。腕前も素晴らしいしな。何より、飯の好みが近い」

 ドネリーが片眉を上げる。

「なんだ、そりゃ」

「うちのメンバーは、美味いもんが好きだからな。好みが似てるのはパーティーとしては、大事だろ」

「まぁな。飯を否定されて、パーティー解散なんてのも過去にはあったし。まぁ、そんなもんか。んで、このあとはどうするんだ? この冬って話だが」

「もう出掛けない。ここで冬籠りするさ」

「頼むぞ」

「雪掻きだろ、わかってる」


 冒険者ギルドを出た。

 街なかをケイナとともに散策する。

「もっと根掘り葉掘り聞かれるかと思っていた」とケイナ。

「必要以上には聞かないさ。せいぜい能力とか、犯罪歴の心配くらいだろう」

「打ち合わせしておいてよかった」

「だろ。冒険者はスネにキズを持つ者も多い。どのくらいの剣士なのかを確認できれば、問題を起こさない限り、内緒なことに口出ししないよ」

「そういうものなのだな」


 話しながら、彼女と屋台で買い食いする。屋台ももうすぐ休業になる。雪が降れば、商売上がったりだからな。

「彼らは、冬のあいだ、どうするのだ」

「家の中でできる手仕事だな。人それぞれの手仕事があるらしい」

「そうか。我々は?」

「基本的に訓練が主になる。ボードゲームで遊ぶこともある。天気が良くなれば、この町の雪掻きだ。魔獣の討伐もあるな」

「どんな魔獣がいるか」

「ユキオウたちの子どもがいるが、人間には近付かないはずだ。ジャイアントディアーやアーマードベアがいたな。春近くに、レッドボアーもいたよ。あぁ、それと、広場にもいる」

「広場だと! 街なかではないか」

「心配ない。小型の魔獣だ。手を出さなければ、何もしてこないよ。ここでは、ヘッジちゃんと呼ばれてる。パラリシスポイズンヘッジホッグ、ハリネズミだな」

「大丈夫なのか」

「冬場の訓練をしたときがあって、そのときにみんながやられた。たまたまオレは屋敷にいたから、みんなを助けられたがな」


 意外と買い物に時間を取られた。

 屋敷に帰ったのは、夕方近くだった。

 気温も下がってきていた。

「少し肌寒くなってきたな」と帰宅の挨拶とともにオレが口にする。

「そう?」とダルトンが受ける。「じゃ、本格的な冬に近付いているんだな」

「とりあえずの商店を訪ねてまわったけど、あと二日三日で閉めるかもって言ってたよ。買い出しは明日がいいかも」

「そだね」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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