053【出戻りとニオイ】
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少し短いため、3話連続投稿します(1話目)
門衛にオーク出現を告げ、冒険者ギルドへ。
ランドルフが受付嬢に説明する。
それから、解体場でマジックバッグからオーク三体を出す。
マジックバッグに入れたのは、オークの実物を証拠として見せるためであり、またアイテムボックスの存在を隠すためである。
「気配察知では、見つからなかった」とランドルフ。「だが、仲間がいたか確認していない。街道脇に古い剣を突き刺してある」
すぐさま斥候のパーティーが確認に出発する。彼らは危険を承知だが、ムダな戦闘は回避する。報告優先だからだ。
オレたちは、そのまま出発してもよかったが、受付嬢に引き止められた。
もしもの場合に、S級冒険者であるランドルフがいれば心強い、とのことで。
ランドルフはオレを見る。“どうする?”と。
「別に急ぎの旅でもありません。イザというときのために、斥候隊の報告を待ちましょう」
斥候隊の報告は、おそらく夕方くらいになるだろう、という受付嬢の言葉で、昨日の宿屋に泊まることになった。
宿屋に戻ると、驚かれた。“オークが出現した”というと、うなずいて、昨日の部屋のカギを出してくれる。一泊のお金を払った。
ランドルフは、冒険者ギルドに戻る。
男三人で、馬車から馬を外し、厩舎で馬の手入れ。
部屋では、魔導コンロでキヨミとマナミが料理を作っていた。温かい空気が鼻をくすぐる。
「もうすぐできるよぉ」とマナミ。
「待ってました」とエイジとハルキ。
オレはひとつ、まずいことに気がついた。
調理のニオイだ。今のところ、ドア外までは出ていないが、宿屋の女将に怒られるかも。
魔導具でニオイを吸い込むか。そんな魔導具はないけども。
現代日本なら消臭剤も消臭機もあったけど、ううむ。
仕方ない。今は窓を開けることで、対処しよう。
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