052【対戦】
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3話連続投稿します(3話目)
残酷シーンあり
オレたちは馬車を降り、オークとの距離の半分ほど、ゆっくりと近付く。そこからならオーク一体に集中して水魔法を使うことができる。
キヨミの詠唱がはじまる。それとともにランドルフ、ハルキ、エイジが駆け出す。
彼らが剣の届く範囲に入ると、オークたちが棍棒を振り上げた。
「水よ!」とキヨミの叫び。
それとともに一体のオークの頭が水球に包まれた。
暴れるオーク。
そこへオレが魔導具を投げつける。
スタンガン改め、雷爆弾・改。
スイッチオン三秒後にバリバリと雷発生。
それが水球を受けたオークを捉える。
二重の苦痛を浴びて、痙攣とともに倒れ、絶命する。
十秒後、沈黙。
「キヨミ、ランドルフの相手!」
ふたたび詠唱。
「水よ!」
ランドルフと闘っていたオークの頭に水球が生まれる。
突然の水球に慌てるオーク。しかし、闘いの最中なので、動揺は少ない。だが、確実に息はできなくなる。
「ランドルフ、ハルキたちを!」
「おう!」
ランドルフはオレの指示にすぐさま従い、ハルキたちのオークへ。
それまでランドルフが相手していたオークへは、オレの雷爆弾・改をプレゼント。
すでに息が限界に近かったらしく、すぐに倒れて絶命。
最後の一体は、ハルキとエイジの攻撃になんとか対応していたが、ランドルフの乱入により、すぐに切り倒された。
全員が息を整えると、緊張が解け、安堵の笑いが生まれる。
ランドルフが、オークをチェックする。彼は冷静だ。
気になって、彼に近付く。
「どうした?」
「いや。もしかしたら、コイツらは斥候かもしれないと思っただけだ」
「つまり、団体さんがいる?」
「可能性はある。集落を作っていたら、被害が続く可能性もある」
「自分ならどうする、ランドルフ?」
「もとのパーティーなら、確実に確認する。そして、殲滅する。だが――」
オレたちでは無理だ、ということか。
「わかった。いったん村に戻って、知らせよう。次の町までだと時間がかかる」
「いい判断だ」
ということで、オーク三体をマジックバッグに収納し、雷爆弾・改を回収、目印に古い剣を街道脇に突き刺した。それで、オレたちは引き返した。
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