051【ニヤリと魔獣】
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3話連続投稿します(2話目)
翌朝、ランドルフが、冒険者ギルドへとバグラールの情報を調べに行った。
オレたちは、馬車の用意をする。
馬もオレたちも体調は万全だ。
あとは、ランドルフが来るのみ。
しばらく馬車でヒマつぶししていると、ようやくランドルフが戻ってきた。
「お帰り。出られるか?」
「ああ」
街なかの馬車の運転は、まだオレたちには怪しいので、ランドルフに一任した。
村を出て、村門が見えなくなったところで、ランドルフは話しはじめた。
「昨夜、バグラールの王城は、突然、照明が消えたそうだ。ただ、これと言って、騒ぎにはなっていないらしい」
「少なくとも物品は奪えたのは確かだな。でも混乱していない?」
「うん。おそらくだが、頻繁に野営訓練をしており、灯りが消えたことには対応できたんだろう。戦闘中に騒ぎ立てて目立つような国ではないからな」
「なるほど。それで?」
「騒ぎが起こるとしても、これからだろう。ちなみに兄貴にも暗号で伝えておいた。そっちからつつくかもしれない」
ランドルフがニヤリと笑む。
「面白がってか?」
おう、とランドルフ。
「で、次の目的地は?」
地図を出すと、指差してくる。
「次は、町になる。ここから二日の距離だ。途中の村は飛ばす。荷物をしまえ」
四人が荷物をしまい、馬車が軽くなる。
馬車のスピードが上がる。
昼ごろ、快適に馬車は走っていたが、街道の先に、魔獣が現れた。すでに探知済。
鑑定には、“オーク”となっている。個体数は三体。
ヒト型で身長2メートル近く。灰色の肌。イノシシの顔をしている。もちろん、牙あり。武器は木の枝から削り出した棍棒。
馬を停める。
「どうする?」ランドルフに尋ねる。
「おまえがリーダーだろ」
「助言が欲しいの。こちとらオークなんてヒト型魔獣は見るのも初めてなんだから」
「へぇへぇ。ウルフを水攻めした方法はどうだ?」
「キヨミ、当てられそう?」
「距離があるから、一体に集中しないとダメかも」
距離は、だいたい50メートルくらいか。
「距離か。弓もダメだな。威力がなくなるし。マナミ、投石機で届くかな?」
「ギリギリ。でも威力ないよ、きっと」
「だよな」
向こうさんは、こっちを見つけたが、動く気配もない。なんか獲物発見って顔している。
「剣で倒せませんか」とハルキ。
「一体ずつバラバラにして」とランドルフ。「それぞれを倒せばいけるかもだが、せめて二体だけならよかったんだがな」
「二体なら? どうやるつもりだ?」
「一体をオレ、もう一体をハルキとエイジでやれば、とは思った」
「ふたりとも、それでやれそうか?」
「わかりません」とエイジ。「相手がどの程度の強さなのか、なので」
ハルキもうなずく。
「わかった。ランドルフは一体、ハルキたちも一体頼む。無理するな。抑えてくれればいい。オレとキヨミで一体やってみる。あとはその場の判断。マナミは馬車を頼む。今度、遠距離攻撃できる魔導具でも作るよ」
「お願いします」と笑むマナミ。
※オーク
ウィキペディア参照?
ファンタジー作品に登場する生物と思ってください。
野生の凶暴な亜人種。
知能はないが、群れをなす。
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