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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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505/648

505【シファーさんとの食事・その一】 

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


2話連続投稿します(2話目)

今話は、少し短めです。

 メカタ村の門を入る。

 シファーさんのいる村だ。

 その足で、シファーさんの自宅に。

 彼女は畑にいた。子どもたちと一緒に。

 薬草採取か。

「シファーさん」と声を掛ける。

 こちらを見て、立ち上がり、笑顔を見せてくれる。

「サブ、ようこそ」

「お久しぶりです。採取ですか?」

「ああ。中に入って座ってておくれ。すぐ行くから」

「はい」


 お茶をいただいて、ひと息つく。

「ひとりかい?」

「ええ。仲間たちは、ダイナーク国の国境まで先に行ってます」

「ダイナーク? あぁ、元エルゲン国か。そんなところに、何をしに?」

「食料の買い付けですよ。美味しいものがありましてね」

「ほぉ。なんだね?」と身を乗り出すシファーさん。この人も食事には興味津々だったね。


 ようやく落ち着いたところで、本題を切り出す。

「シファーさん、今夜、泊まっても大丈夫ですか?」

「構わんよ。そこを使うんだろう?」と外を指差す。いつもの場所だ。

「ええ。別に宿を取ってもいいんですけど、ちょっとした作業もあるものでして」

「何かを作るのかい?」

「ええ」

 少し話してから、いつもの場所に野営を張る。とはいえ、森での野営と違い、きちんとしたテントがある。シャワーくらいは浴びれる設備も出す。これならば、壁の薄い宿屋よりも熟睡できる。作業も気兼ねせずにできる。


 その夕方。シファーさんと食卓を囲む。

「いいニオイだね」

 テーブルに載せたのは、オレが作った料理。

 シファーさんに調味料を味見してもらって、アレルギーも確認してある。

 なんちゃって日本料理だ。というよりも洋食か。マナミのように美味くはないが、気分は味わえる。

 さっそくいただく。

 シファーさんもお箸は使えるが、それほど慣れていないので、ふつうのカトラリーで食べる。

 ごはん、味噌汁、ハンバーグ、それにサラダ。

 ハンバーグは、フードプロセッサーでミンチ肉にしましたよ。フードプロセッサー? ありますが何か? まぁ、オレのは試作品だけどね。マナミに依頼されては作らないわけにはいかないでしょ。

 ちなみに、ハンバーグにチーズインはしてません。いや、あれば入れていましたよ。はい、切らしていまして。どこかの街で仕入れませんとね。

 シファーさんの反応は、上々。ときどき顔をしかめて、食べているものを見ている。なんのことはない。食材がわからないとか、味が想像とは違うとか。そういうことで顔をしかめていたのだ。


 食後のお茶。

「肉もそうだが、葉物は知っているものが多かったが、さすがに味見していなかった。これだけの味になるのだな」と関心しきり。

「明日の朝は、魚料理を出しますね」

「川魚か?」とイヤそうな顔をする。

「その顔は、不味いのにあたりましたね?」

「うむ。旅で、捕れた魚を焼いて食べたら、泥臭くてな。その場で放り出してしまったくらいだ」

「なるほど。さすがのシファーさんもダメでしたか」

「うむ」

「じゃぁ、明日は試してみてください。残しても文句言いませんから」

「そうか?」

「ただ、魚は湖の魚ですから、川魚とは違うかもしれません」

「湖? どこだ?」

「グレイハート湖です」シファーさんが驚く。「以前、そこで訓練をしていましてね」

「本当にあったのか。よくぞ、たどり着いたな」

「ええ。その湖の魚です。下処理もしてありますから、美味いですよ」

「わかった。明日を楽しみにしよう」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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