005【相談事】
連続投稿です。ごめんなさい。
飲食スペースに戻ってくると、四人は座って居眠りしていた。危機感がなさすぎる。
とにかく起こす。
「あぁ、サブさん」とハルキ。
「おまえらなぁ、ここは日本じゃないんだぞ。財布はあるか?」
四人がそれぞれの財布を確認する。
三人は無事。
なくなっていたのは、勇者ハルキのだ。
「スリにやられたな。まぁ、たいした額じゃないから勉強代だな」
意外とヘコんでいるハルキ。
賢者エイジが慰める。
そこは女子が慰める方がいいと思うんだが。まぁ、いいか。
「それで」とエイジ。「結構、時間がかかっていましたけど?」
「登録したよ。あと、馬車と馬の手配もした」
「馬車?」
「そうだ。まさか歩いていくわけにはいかないだろう。みんな、若いとはいえ、舗装された道路しか歩いてないだろうし。長距離は無理だろう?」
四人は苦笑いで、うなずく。
「それから君たちの中に、馬の扱いを知っているのはいるか?」
四人がお互いの顔を見る。
「だよな。そこで提案されたのがふたつ。オレが扱いを覚える。奴隷を買う」
「奴隷って」と大魔法使いキヨミがオレを睨む。
「言っとくけどな、公正な奴隷だからな」
オレは、アデリアに説明されたことを話す。それでキヨミは謝ってきた。
「いいさ、わかってくれれば。で、相談だ。オレが扱いを覚えるか、奴隷を買うか。問題点は、オレだと覚えるのに時間がかかる。奴隷だとオレたちのことをある程度教えることになる、という点だ」
確かに、と四人。
「オレとしては、早めにここから出ていきたい。追手から逃げるために。とすると奴隷。だが、オレたちだけの方が秘密は守れる」
「オレも」とハルキ。「早く出た方がいいと思う」
「私も」とキヨミ。
「私は」とマナミ。「みんなの判断に従うわ。どっちもどっちに感じるから」
エイジは、まだ考えている。
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