049【ランドルフの分と軍事国家バグラール】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
五人が帰ってきた。
なぜか、女子ふたりが上機嫌。
あとの三人は、疲れた顔。
その荷物を見て、わかった。
買い物に夢中になった女子ふたり。
荷物を持たされた男たち。
アイテムボックスにしまう間もなく、連れ回されたのだろう。
ご苦労様。
夕食は、ランドルフだけ食堂へ。
オレたちは、改良された魔導コンロで作ったマナミの料理をいただく。
ひと息ついていると、ランドルフが戻ってきた。
「オレの分は?」
「ないよ」
「おい!」
「ウソだよ。ちゃんと取っておいたよ」
みんなで笑う。
マナミの料理を出すと、ランドルフはがっついた。おまえ、食べてきたよな?
ふぅ、と食べ終わったランドルフ。
「やっぱ、うまいな、マナミの料理は」
「ありがとう」
薬草茶が出される。今日、マナミたちが買ってきたものだ。こういうものは飲むと落ち着く。
それを少し飲んで、話しはじめるランドルフ。
「王城のことが噂になっていた。みんな、この国はどうなるのか、と不安そうだった。あの国に攻め込まれるんじゃないかとも」
「当然の反応だな」
「だが、まだ両ギルドがうまく対応しているから、影響は少ない。ただ教会がどう出るかが気になる感じだな」
「そういえば、教会もあったな。勢力としては?」
「大きいな。もしかすると教会が国を牛耳る可能性もある」
「あの」とマナミ。「敵国のことは?」
「そっちの話は入ってきていない。気になるか?」
「国境で紛争しているんですよね?」
「うん」
「終わらせられないでしょうか?」
「難しいところだな。あの国、バグラールというんだが、軍事国家でな。欲しいものは武力で奪う、という奴らなんだ」
「武器を奪ったら?」
「それが簡単にできれば、力を失い、動くこともできなくなるな」
「できるんじゃないですか?」とオレを見る。「バキュームで」
全員で驚く。
その発想はなかった。
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