046【違約金問題の解決】
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少し短いため、2話連続投稿します(2話目)
「それでアイツらに何をさせるつもりだ?」
「ん? あぁ、オレが商業ギルドで買った薬を近くの村々に売りに行ってもらうつもり」
「ん?」
「支払いは、お金ではなく、作物なんかだな」
「物々交換か」
「そう。ここを中心に動いてもらう。そうだ、商業ギルドで作物の買い取りってしてもらえるのかな?」
「あぁ、できるはずだ」
「要確認か。できるなら彼らが持ってきた作物を商業ギルドに買い取ってもらって、そのお金をオレの口座に振り込んでもらうようにできれば、オレたちが旅に出ても依頼達成にできるんじゃないかな」
「ふむ……事前に手続きが必要だが、可能だろうな」
「彼らをここで待てるほど、オレたちには余裕はないし。これなら村々に寄らずにすむ。まぁ、食料調達や情報収集は必要だけどね」
「いいんじゃないか」
「どう思う?」と四人にも聞く。
「いいと思います」とエイジ。「別に商売しなくてもいいわけですし。薬は誰でも運べますし」
ほかの三人もうなずく。
「よかった」
しばらくお茶してくつろぐ。
ドアがノックされて、確認する。
受付嬢だった。
「《夜明けの星》の方々が作業を終えたそうです」
《夜明けの星》とは、あの五人のこと。
「ありがとう」
解体場で《夜明けの星》と確認する。見事に解体されていた。内蔵は捨てることになるそうだ。
「結構」
オレは、毛皮を残して、肉と魔石、それに内臓を収納した。内臓は何かに使えるかもしれないので。
「それは」と毛皮を指して、「さっき言ったとおり、君たちのものだ」
「あの、依頼達成の金額と、これだけで金貨一枚を越えるんですが」
「そう? でも次の依頼も受けてもらわないと困るんだが」
「いや、もちろん受けます。その前提で依頼を受けましたから」
「よかった」
「それでよかったら、依頼達成の署名のあとで、毛皮を売却したいのですが」
「いいよ」
依頼受注書に署名する。署名はちゃんと練習したよ。
彼らは、それを受付嬢に渡して、お金を受け取り、買い取りカウンターで毛皮を売却して、お金を受け取った。
それから受付嬢のところに戻り、違約金を支払って喫緊の課題が解決した。
ホッとする五人。
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