031【戦闘】
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短いため、3話連続投稿します(2話目)
「なんです?」エイジが聞いてくる。
「ウルフ八匹が来てる。倒す」とランドルフ。
ハルキが、“初エンカは、スライムかツノウサギかゴブリンじゃねぇのかよ”とか叫んでいる。それはオレも思った。“初エンカ”とは“初めての遭遇”という意味で、異世界での最初の魔獣との遭遇のことである。
なんて説明している場合じゃないな。
「できれば」とオレ。「遠距離攻撃にしたいな。彼らには剣や魔法での闘いはまだ早いと思う」
「そうだな。弓はあるか?」
「あるよ」と出す。「とりあえず、全員分かな」
「引けるのか?」
全員で試してみた。
女子ふたりには無理。男子もちょっと心許ない。
「結界に弾かれたところを狙い撃て。落ち着いてやれば、充分当たる」
ツンツンされるので、そちらを見ると、マナミ。
「サブさん、べルト、貸して。それと小石、ないかな?」
えぇ?と言いながらもベルトを外して渡す。小石はないが、魔石はある。たくさん。
「あとで回収するよ?」
「うん」
彼女は、ペルトをふたつに折り、折り目に魔石を挟む。
なんだろう?
気にする余裕がなくなった。ウルフが現れた。一匹、また一匹と。大型犬ほどもある。
「結界内にいれば安全だ」とランドルフが四人に優しく言う。
オレも弓を持ち、矢をつがえる。石弓があればな、と考えるが鑑定さんは反応なし。
「キヨミは、火魔法を使うな。延焼の可能性がある」
「何がいいの?」
「空気。エアカッターとか。水でもいい。ウォーターアローとか。土のバレットでもいい」
「水だ!」と叫ぶオレ。「顔を水で覆ってやれ。無力化できる」
「わかった!」
彼女は大きい杖を出して構える。
「ハルキとエイジは、無力化したウルフを撃て。オレとランドルフは結界に弾かれたのをやる」
「「了解!」」
ランドルフと目が合う。
「イケるか?」
ランドルフが苦笑い。
「もちろん」
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