030【魔導ライター】
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短いため、3話連続投稿します(1話目)
食事を終え、ゴブレットを傾ける。中身はお湯だが。
オレは、魔導ランタンを分解していた。
「どうですか?」とマナミ。
「仕掛けは、簡単だ。魔石から魔力を引き出し、目的の魔法にするだけなんだ。問題は目的の魔法にする部分。ランタンは光の魔法で、オレたちとしては火の魔法を使いたい」
その目的の魔法にする部分を引き出す。小さいが魔法陣がある。魔法陣学の本から光の魔法陣と火の魔法陣を思い浮かべ、変更点を洗い出す。魔法陣用のインクで修整。組み立て直し、傘をかぶせず、スイッチを入れる。と、ボッと炎が出た。炎の大きさは、大型の蠟燭よりもちょっと大きい。
「すげぇな」と感嘆するランドルフ。「サブは魔導具師になれるな」
「それもひとつの生き方か。考えておくよ。さて」
スイッチを切る。炎が消える。
魔石から魔力を引き出す量を落とすか。インクで修整。
ふたたび、スイッチを入れる。
炎がケーキ用の蠟燭の火くらいになった。
「ちょっと大きいけど、“ライター”の完成」
「“ライター”?」
「なんて言うかな……火付け魔導具かな」
「おっ、いいな。売れるぞ」
「なら小型化しないとな。使い捨てライターとか。使い捨てはまずいか。まぁ、まずは第一目標、達成。はい、拍手ぅ」と四人に強要する。
パチパチ拍手してくれる四人。
そこに、常時発動している鑑定が反応した。
ランドルフも気付いたようだ。険しい表情で、森の中に視線を向ける。
四人は気付かない。
「ランドルフ、結界はかけてあるが、ウルフ八匹、大丈夫か?」
「種類と数までわかるのか。気配察知か。いや、もっと上のスキルか。とりあえず、大丈夫だ。だが、馬が怯える。やるべきだろうな」
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