027【四人の関係1】
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短いので、3話連続投稿します(1話目)
焚き火はうまくつけられた。
スープは残り少ない。悩んだ末にオレはゴブレットを人数分出して、スープを取り分ける。ゴブレットは銀食器だ。ワインでも飲んでいたんだろう。それを焚き火の近くに置いていく。
「頭いい!」とマナミ。「これでアツアツだ!」
「まぁ、アイテムボックスだから温かいままだけどな。コンロが作れるまでは、これでお湯くらいは作れるだろう。それを集めて、鍋で料理できると思う」
料理の可能性が増えて、うれしそうなマナミ。
「それとランドルフ」
「ん?」
「夜は交代で見張ることになるのかな?」
「ああ。結界の魔導具があれば、さらに安心なんだが」
「あるよ」と出す。5センチほどのピラミッド。細かい階段状のギザギザがある。
「なんで持って――」一度驚き、すぐに気が付くランドルフ。「あぁ、奪ってきたやつか」
「そう。起動すると馬車くらいは大丈夫だな」
もちろん鑑定で使い方を見ているよ。
「なら使おう。ただし、見張るのは交代でな。今後のための訓練になるからな」
「異議はないよ。な」と四人を見る。
うなずく四人。
「話は変わるが、おまえたち、どういう関係なんだ?」とランドルフが尋ねてきた。
「この四人は同じ“学校”の生徒。オレは関係ない一般人」
「ガッコウ? なんだ?」
「そうか、こっちにはないのか。教育機関だよ。小さいころから勉強するんだ」
それを聞いたランドルフが驚く。
「おまえら、貴族だったのか!?」
「違うよ、ランドルフ。それが当たり前なんだ。こっちみたいに子どもは働かない。親が仕事をしているあいだに行かされる。そこで勉強して、将来の仕事ができるようにするんだ」
「ギルドみたいなものか。まぁ、誰でもが冒険者になるわけでもないが」
「まぁ、そんな感じかな。そこで十八歳まで、人によってはそこから四年、もっとかけるヤツもいる。そのまま、“学校”に教師として仕事に就くヤツもいる」
「待て。おまえらの成人はいくつなんだ?」
「二十歳、いや法律が変わって、十八歳だっけ。もっと昔は十二歳だったな」
「で、おまえら、いくつだ?」
四人を見る。
「オレたちは、十七歳。彼女たちは十六歳です」と答えるエイジ。
なんてこった、と頭を抱えるランドルフ。
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