表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

22/648

022【右が青、左が緑】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し短いため、2話連続投稿します。

(2話目)

「合気道と護身術よ」とキヨミ。「この子、小さいころからいろいろあってね。おじいちゃんが習わせたの」

「いろいろ?」

 マナミがエイジを見て、悩んだ末に、人差し指を眼球に差し込んだ。

「おい、何している、んだ?」とランドルフが途中から意味がわからなくなる。

 マナミは、カラコンを外しただけだ。

 でも、その瞳を見て、オレたち男は呆然とする。右目が青、左目が緑だ。

「オッドアイ」とオレ。それだけしか言えない。

「この髪色も地毛だから。外国人であるおばあちゃんの血を受け継いだクオーターなの」

「珍しいな」と動揺していないランドルフ。「獣人族の知り合いにもいたな」

「いるの?」とマナミ。ちょい身を乗り出す。

「ああ。人間族では初めてだがな。それよりもソレなんだ?」

 彼が指差しているのは、マナミの指先にあるカラコン。

「あれは」とオレ。「オレたちの世界の目を守るためのもの。特定の人が使っている。彼女の場合は、瞳の色を隠すためだな」

「ふうん。よく使えるよな。怖くないのか?」

「慣れたわ。最初は怖かったけどね」

 そう言って、彼女はカラコンをし直した。

 それを見て、ランドルフは大きな身体をブルッと震わせた。

「まぁ、いいや。もうひとつ、兄貴が面白い話をしてくれた。奴らのことだ。一文無しっていうのはさっき言ったな。騎士も鎧もなく、訓練用の木剣で威嚇してきたそうだ。思わず笑い出すのを(こら)えたそうだ。王族もいつもの豪華さがなくて、威厳もなかったとさ。しかも両方のギルドを呼び出しての王命が、五名の人間の捕縛と食材の供出だったそうだ。イライラしてたとさ」

「その捕縛命令の人相書きは?」

「黒目黒髪が四人と金髪碧眼。四人の成人したての男女は同じような服装。ひとりはヒョロッとした男だと」

「フフフ、そうか」

「だが、両ギルドは、依頼料の支払いがなければ、お受けできません、と突っぱねた」

「大丈夫なのか?」

「どちらも商売だからな。王命だからと受けていたら、食いっぱぐれる。しかも前例があるから、まずはそちらの料金を請求したわけだ」

「あらあら」

「だが、奴らは一文無し。出そうにも出せない。しばらくは混乱するだろう」

「その程度で済めばいいがな」

「ん?」

「各種の資料も奪ったからな。支出入がわからなくなるから、大変だ。周辺各国との約束事もあやふやになる。国から貴族に払われるお金もない。大変だ」

「オイオイオイ。他人事か? まぁ、他人事か。しかし、ひでぇな」

「酷いのは、アイツらだろ。強制的にオレたちの人生を変えたんだから」

「それもそうだな」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ