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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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199/648

199【薬運びに出発】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し長いため、3話連続投稿します(1話目)

 採取した食材なんかをマナミにある程度渡し、オレはウーちゃんとともに出発した。

 ウーちゃんにまずは馬化してもらって、門から出る。

 門から見えなくなるところまで来たところで、ケルピー化してもらって、空を駆けてもらう。

 充分離れたところで、本来の姿に。

 オレは背中にくっつく。もう虫の気分だね。

 索敵でメカタ村をマーク。その方向を念話で、ウーちゃんに伝える。

 さすがの速度に、風圧がすごい。でも耐えるしかない。まぁ、ウーちゃんが吸着しているから、落ちたりしないけどね。


 驚いたことに小一時間でメカタ村上空に到着した。

 小さくなってもらい、地上に降りて、馬化。

 それで門を通過。

 そのまま、薬師のシファーさんのところへ走る。

 このとき、ウーちゃんは地面を蹴ってはいなかった。地面すれすれを魔法で浮いていたのだ。突き上げが来ないのでありがたい。


 シファーさんの家に着くと、ウーちゃんを降りずに声をあげて呼ぶ。

「おお、誰かと思ったら、サブではないか」

「“熱覆い”の薬を受け取りに来ました」

「サブが受けたのか。ちょっと待ってくれ。すぐに用意する」と家に入る彼女。

 五分ほどで、彼女は出てきた。

「これが薬だ。中に服用方法を入れてある。順番を間違えるな」

 彼女から袋を受け取る。すぐにしまう。

「サブ、またガラス容器を作ってくれぬか? できれば、三十ほど、欲しい。もちろん、薬を届けたあとでな」

「あとで連絡を入れます。では」

「頼むぞ」


 門を出て、少ししてから、巨大化して、王都を目指す。



 途中、休憩や野営をしながら、出発して四日目に、前方に既視感のある景色が見えてきた。

『あれが、王都だよ、ウーちゃん』

『ふむ。なんか、壁が高いのぉ』

『防壁だよ。外の国からの侵略や魔獣なんかの対処のためのものだね。そうだ、近くに町があるから、小さくなって、寄ってもらえる?』

『このまま、王都に行くのでは?』

『いや。向こうに着いても、どこに行けばいいのか、わからないから、案内の人をお願いしようと思ってね』

『ややこしいのぉ。まぁ、良いわ』


 小さくなって、地上に降りて、馬化してもらって、町の門に近付く。

 門衛に依頼書を見せて、商業ギルドを教えてもらう。

 礼を言って、向かった。


 商業ギルドに入ると、すぐにスタッフさんが近付いてきた。

 そこで、依頼を受けて、王都に行くのだが、王都は初めての土地なので、案内が欲しいことを説明する。

 すると、応接室に案内されて、ソファーを勧められ、座る。

 しばらくすると、恰幅のいい男性が入ってきた。

 ここのギルマスだとか。わかってました。

「今、王都に手続きを取ります。あと、どのくらいで、王都に到着予定でしょうか?」

「馬車で、どのくらいでしょうか?」

 変な質問に、首を傾げるギルマス。

「王都自体は上空から見えたんですが」

「はい?」

 説明が必要なのね。

「従魔に乗って、来ました。こちらの用向きは話しました。おそらく今日中には到着できるかと。いいですか、今日中ですよ?」

「本当に?」

「乗ってみますか? 空から落ちるかもしれませんけど? 私としては、早く子どもに薬を届けたいんですが?」

 うん、ちょっとイライラしているよ。

 一瞬、呆けた顔をしたギルマスだったが、すぐに頭を振って、真剣な顔になった。

「そうでした。では、今日中だと伝えます。ほかに何かございますでしょうか?」

「ありません。では、よろしく」

 オレは立ち上がり、足早に外のウーちゃんに飛び乗った。


 王都の門には、長蛇の列があった。しかも列に並んでいる人々が騒がしい。

 最後尾の人に尋ねてみた。

「巨大な魔獣が空を飛んでいたって言ってさ、門を閉ざしやがったんだよ」という答えが返ってきた。

 うん、間違いなく、オレたちが原因だね。ちゃんと見張っていたんだね。偉い偉い。

 じゃなくて、どうするよ、これ。

 とりあえず、門衛のところへ行く。

 門は閉じられており、そこに人はいない。

 声を張り上げても、まわりの喧騒がうるさくて、門衛の耳には入らなそうだ。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

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