表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

197/648

197【昇級?】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し長いため、3話ではなく2話連続投稿します(1話目)

「あっ、そうだ。二つ名はいりませんからね」

 一瞬、ポカンッとするギルマス。だが、すぐに笑い出した。

「そうだな。煉獄の実使いなんて、恐ろしがられるだろうよ。悪くはないがな」

 また、笑う。

「本気でやめて」うんざり。「煉獄の実を使ったことも内緒がありがたいんだけど?」

「そこは、こちらも明かさないさ。オレも使ってみよう、と思うバカもいるだろうからな」

「その方がいい。扱いは慎重にしないと、ケガでは済まないからな」

「そのとおりだ。さて、話は変わるが、おまえたちをB級に昇格する」

「いや、待ってくれ!」と怒鳴ったのは、ドレックだった。「オレたちには、B級なんて受けられない!」

「どうしてだ?」

「簡単だ。オレたちは、三人でひとつのパーティーじゃない。護衛している商人は、幼馴染だ。五人でひとつのパーティーなんだよ。昇級したらアイツらと別れなければならん。それは受け入れられん」

「ふむ、なるほどな。ならば、そのままとしよう。だが、《竜の逆鱗》は、受けられるよな? ダルトンとランドルフというS級がふたりもいて、ほかがC級ばかりじゃ、バランスが悪い。それにオーガの群れを(ほふ)ったヤツがC級なわけがねぇだろう?」

「みんなは?」

 若者四人に尋ねる。

「あれは」とハルキ。「作戦勝ちでしょ。武器もあったけどさ。その武器をうまく使うやり方は、サブさんがいなくちゃ、有効じゃないと思うよ」

「そうです」とエイジ。「いい選手がいても、監督が作戦を考えてくれないと、ダメなんです」

 女子ふたりも、うんうんうなずく。

「つまり、自分たちはこのままでいい、と?」

「そうです。それに先日、昇級したばかりですよ? ちょっと早くありませんか?」

一対一(サシ)で」とハルキ。「オーガとやれるか、微妙でしょ。オレ、そこまで自信過剰じゃねぇし」と苦笑い。

「私も」とキヨミ。「ひとりでオーガ一体を倒せる自信はないです」

「私なんか」とマナミ。「絶対無理です」

 オレは、ギルマスに向く。

「このとおりです。彼らが自信を持って、オーガと闘える、と言えるようになるまでは、昇級なんてダメです」

「なら、おまえはどうなんだ、サブ?」

「オレ? もうB級ですけど?」とギルドカードを出して、見せる。

「なぁにぃ!?」とダルトンが叫ぶ。いつものことだけど、うるさい。「いったいいつのまに!」

「ええと」思い出す。「ユキオウの狩りに付いていったときの帰りに、冒険者ギルドに寄ったら、上げられた」

「なんで言わないんだよ!」

「忘れてた。ごめん」

「あれ?」とエイジ。「オレたちが昇級したときは、もしかしてもう?」

「ええと、うん。昇級してた。言わなかったのは、みんながよろこんでいて、言い出しにくかっただけ。そのあとは、単に忘れてた」

 あはは、と笑ったのは、マナミだった。

「サブさんらしい」

「そうね」とキヨミも同意して笑う。

「そうなると」とギルマス。「昇級しない、ということか?」

「そうなるね。それに昇級しても依頼には応えられないだろうし」

「ん? どういう意味だ?」

「旅を続けるから。ドレックたちもそうだろう?」

「もちろんだ」

 ギルマスが思い出したようだ。

「忘れてた。旅の途中だったな。なら昇級は無意味か。わかった。取り下げるよ」

「すまんな。今回みたいな事件ならば、なんとかしようとするだろうけど、変な依頼は受けたくないんでな」

「了解だ。こっちとしては、残念だが、仕方あるまい」


 ギルマス執務室を離れたあと、受付嬢の案内で解体場へ。解体スタッフと話す。

「話は聞いている。で、何体だ?」

「全部で、四十八体」

「うわぁ。で、マジックバッグに入れているのか。時間停止じゃねぇよな」

「時間停止だよ?」

「おっ、ホントか! なら四日くらい、町にいられねぇか? 日に十二体はなんとか捌くからよ」

「じゃぁ、今日、十二体、置いていきます。明日、明後日、明々後日(しあさって)で、全部か。ドレック、そっちはどうする?」

「まだふたりと話せていないから、なんとも言えないが、明後日には出たいところだな」

「わかった。とりあえず、そっちに合わせる方向で調整しよう。解体、お願いします」

 解体スタッフにお願いした。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ