表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

181/648

181【ラジオ体操と子犬】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し長いため、3話ではなく2話連続投稿します(2話目)

 不織布製ブラジャーを欲しがる人物が、翌日、現れた。というか、キヨミたちに連行されてきたのだが。


「あの、わ、私にも、いただけません、でしょうか?」と恥ずかしげにチラチラとこちらを見るヤルダさん。

「ゆうべ」とマナミ。「お風呂を出たときに着けているところを見られまして」と笑み。

「それで」とキヨミ。「ヤルダさんにも、と思って」

「連れてきたのね。うん、いいよ」

 鑑定さんに型紙作成を頼む。指示が出てきた。

「そういえば、ヤルダさんのことをちゃんと見たことなかったな。そこで身体を動かしてもらえるかな? ふたりとも、ラジオ体操は覚えてる?」

 ふたりが微妙な顔をする。

「やってみて。だいたいでいいから。ヤルダさんはふたりを真似て」

 オレがラジオ体操のイントロを口遊(くちずさ)む。

 それに合わせて、ふたりが動き、ヤルダさんが真似する。

 深呼吸して、終わり。

「うん、これで型紙ができるよ。あっ、ショーツもセットだよな?」

 もちろん、とふたり。ヤルダさんはなんのことかわからず、首を傾げる。

「サーリさん、どうします?」とキヨミ。

「待って」鑑定さんに依頼。「やっぱり動いてもらわないとダメだな。よし、三人で行ってこよう」

 やった、とよろこぶふたり。

 なんで、そこでよろこぶ?

「ん? 何?」

「《人狼亭》の子どもを見たくて」「エイジが見たきりなので」

「あぁ、忘れてた。オレも見たいな」


 《人狼亭》でサーリさんを呼んでもらう。

 そのあいだに子どもを見せてもらった。母親の足につかまり立ちする子ども。後ろ足で立つ姿はヨロヨロしている。服装は灰色のチュニック。

「つい、先日、つかまり立ちができるようになったんですよ」と母親。

「うれしいでしょう」

「はい」と笑顔。

 女子ふたりは、腰を屈め、子どもの視線に合わせて、ニヤニヤしている。

 そこへご主人に連れられて、サーリさんが降りてきた。彼女だけでなく、ほかの面々も。

「サーリさん」とマナミ。「先日の依頼、受けられることになりました」

「ホント?」と笑顔。

「なんだ?」とバッケルたち。

「えと」とオレ。「乙女の秘密を知りたい?」

 その言葉が意味するところに気付いたのか、全員が首を振る。

「素晴らしい。まぁ、ここではほとんど関係ないことをするから、見てても大丈夫だよ。さっ、ふたりとも頼むよ」

 はぁい、とサーリさんにこれからすることを説明するふたり。それからラジオ体操をはじめた。


 全員が見守る中でのラジオ体操に、サーリさんはちょっと恥ずかしげ。

 それを見ていた子どもが母親の足元で、ラジオ体操を真似はじめた。つかまり立ちではあるが。可愛い。

 両親もうれしそうに微笑んでいる。両親だけではなく、全員が子どもを見て、微笑んでいた。

 途中、子どもがバランスを崩して、前転したときには、全員で笑った。そのことに、子どもは目をパチクリしていたが、笑っていることに気付いて、アンアンと鳴く。笑っているのだ。

 母親が立たせると、またラジオ体操の真似をはじめた。

 それがうれしくて、女子三人は何度も踊りを繰り返した。


 しまいには、女子三人ともに額や頬に汗を流していた。

 どうやら、ラジオ体操で疲れたようで、子どもがウトウトしはじめた。母親がそっと抱き上げ、奥へと連れていく。

 みんなの顔が緩んでいる。

 オレたちは、またな、と挨拶して屋敷に向かった。


 夕食後に、ハルキとエイジに詰め寄られる結果になった。もちろん、子どもについて、だ。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価、リアクションをお願いします。励みになりますので(汗)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ