180【乙女の秘密】
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少し長いため、3話ではなく2話連続投稿します(1話目)
ダルトンたちのところに行く。近付くと、こちらの気配に気付き、戦闘体制を取った。ユキオウの気配はデカいからな。気配を隠すとわからないだろうが、今は隠してはいないのだ。
みんなは、オレたちの姿を見て、気を緩めた。
「どうだった?」とダルトン。
「レッドボアーを仕留めてきた」
「うわぁ、どのくらいのヤツ?」
「馬車くらいかな」
「そんなのとやったの?」
「うん。雷魔法を三回、頭に打ち込んだ。それでようやく倒れたよ」
「すげぇな」
「そっちは、どうだ?」
「小物をいくつかとゴブリン八匹。索敵はレベルアップしたよ」
「了解」
屋敷に帰宅し、セツカの前に、レッドボアーを出す。
セツカも驚く大きさだった。
胸を張るユキオウ。
そのユキオウの活躍をそのまま、話して聞かせてから、オレは運動場をあとにした。
ラキエルには、ゴブリンを出して。
夕食後、お茶休憩したあと、女子ふたりを伴って、執務室に。
「どうだった?」と尋ねる。
ふたりには、試してもらいたいものがあった。その結果である。
「おおむね、良好です」とキヨミ。
「むね、だけに?」
「オヤジギャグゥ」と呆れるふたり。
「ごめんなさい」と謝る。「肌触りは問題ないとは思うんだけど?」
「ここの胸覆いに比べたら、スポーツブラと遜色ない感じです」
「よかった」
彼女たちに試してもらったのは、不織布製ブラジャーだ。なぜ不織布かというと、ブラジャーを構成する布の多くが、この町になく、またこの世界にもないものだった。そこで煮詰まり、オレが冗談で、画用紙で作ろう、と言ったところ、マナミが不織布のことを思い出してくれたのだ。ブラジャーにも使われている、とも。
そこで不織布作りを行なった。
最初は口を覆うマスクを試作。
それから、自分用ボクサーブリーフを作って穿いてみた。だから、肌触りについては、心配していない。
伸縮性が気になり、ちょっとした構造変更を行なうことで、解決した。
それで肝心のブラジャーだが、アンダーバスト部分を作れても、カップの部分はデリケートな部分である。作ろうにも彼女たちに、見せて測らせて、とお願いするわけにもいかないし。かといって、ここから先は任せた、ということにもできない。それだけ製造にコツがいる状態だったのだ。
どうしようか、と悩んでいたら、鑑定さんが反応。型紙という形で、指示をくれました。ありがたい。
で、出来上がったのを着けてもらったわけ。
「でも」とマナミ。疑いの眼差し。「どうやって、私たちのサイズを?」
キヨミも同様の疑問があるらしい。
ふたりには、今朝の段階で渡し、詳しい話はあとで、ということでお願いしていた。
「悩んでいたら、鑑定さんが型紙で指示してきたんだよ。言っておくけど、アンダーサイズは知ってるよ。でも、トップは知らないから。まぁ、カップを見れば、大きさはわかるんだけどね」
「むうう、わかりました」とマナミ。「どっちにしてもいいものはできましたし」
うんうん、とうなずくキヨミ。
「でも」とオレ。「やっぱり見た目が欲しいよね。レースとか」
「ショーツも欲しいよね」とキヨミ。
「そうだよね」とマナミもうなずく。
「やっぱりセットか」
「色はどうなんです?」とキヨミ。「今回は白でしたけど」
「もちろん、着色すればいい。でも濃い色はちょっと時間がかかるね」
「わかりました。これ、洗えますよね」
「もちろん。替えの分を用意しようか? ショーツは型紙次第なんだけど」
ふたりとも笑顔でうなずく。
そこで出来上がり次第、次々と渡すことにした。
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