178【モフりたガールズ】
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少し長いため、3話ではなく2話連続投稿します(1話目)
翌日。朝食後。
お茶休憩を待たずに、女子ふたりがオレを引っ張る。
「おっ、モテますなぁ」とダルトンの声。
モテているわけではないのだが。
まぁ、女子ふたりの気持ちはわかる。
連れていかれたのは、当然ながら、運動場。
先にユキオウたちに念話しておく。
オレが先に入る。そのあとに付いてくるふたり。
ラキエルがまたいない。
ユキオウたちのところへ。当然、ラキエルもいた。
「ラキエルも可愛くて、見ているの?」とマナミ。
うなずくラキエル。
「そうだよ」
「うわぁ」とキヨミ。「意外と大きいですね」
「まぁ、ユキオウたちの大きさから考えたら、小さいけどな」
「でも」とマナミ。「真っ白」と不思議そう。
「おそらく、身を守るためだろうね。雪の中では、トラ柄はわかりやすいだろうから」
「なるほど」
ふたりは近くに寄り、見る。
手を伸ばそう、とするので、声をかける。
「お客様、踊り子に触らないでください」
すぐに手を引っ込める。
えへへ、とごまかし笑いするふたり。
「そちらのウエイターでよければ、どうぞ」とユキオウを手で指す。
ユキオウにも念話した。仕方あるまい、と返事してくれた。
ふたりは、いいの?と尋ねて、オレがうなずくと、ユキオウをモフモフしはじめた。しかも子どもたちを見ながら。まるで、焼きサンマの絵をおかずに、ごはんを食べているみたい。
「ううう、子ども、触りたぁい」「私もぉ」
「ダメよ。わかっているでしょう?」とママ口調。
「わかってるぅ」
半泣き状態だな、こりゃ。
それに我慢しているユキオウ。
それを見て、笑っているセツカ。
子どもたちは、乳を吸っている。
オレは思わず、セツカの頭に手を伸ばした。
セツカは驚くが、静かに伸ばすオレの手を受け入れた。
頭を撫でる。
『おめでとう』
『ありがとう、サブ』
オレは、撫で続けたかったが、しつこくしてはダメだ、と自制して手を下げた。
それからしばらくしてから、ふたりをユキオウから引き剥がし、引きずるように運動場を出た。ユキオウがホッとしました。
ハルキとエイジが、ふたりにどうだった?と尋ねると、蕩けそうな表情のふたりは、ただただ、“可愛い”しか言わない。
男子ふたりが、オレに詰め寄るのは、当然であった。
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