015【宿屋】
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1話1話が短いため、3話連続投稿させてください。(2話目)
案内された宿屋は、この街では中堅クラスらしい。一階が食事処で、二階三階が宿屋という構成。
入った途端、また囲まれた。やっぱりランドルフ目当て。
オレたちは彼から離れ、カウンターへ。
「いらっしゃい」と幼女。8歳かな? 宿屋に幼女。これもテンプレか?「お泊りですか?」
「ええ。男三人、女ふたりのふた部屋――」
「オイオイ!」とランドルフの大声。「男は四人だろ」
聞こえていたらしい。
「ランドルフは、独り身か?」
「独身だが?」
「家族は?」
「いる」
「なら帰っていいぞ」
「はい?」
「明日以降、しばらく旅だ。会えるうちに会っておけ。それとも何か会えない事情でも?」
「い、いや」
「ならいいじゃないか。明日の朝、起こしに来てくれ。朝食は食べたいな」と笑顔を見せてやる。
頭を振るランドルフ。
「わかった。感謝する。エミー、オレの客だから、いい部屋を頼むぞ」
「わかったぁ」といい返事の幼女。
「男女別々でふた部屋ね」
「はぁい」
一泊分のお金を払うと、カギを渡された。
「三階の突き当たりの左右です」
「ありがとう」
「お湯はどうしますか? 別料金になりますけど」
お風呂はないか。まぁ、仕方ない。
「タオルはあるかい?」
「あります。別料金ですが」
「じゃ、お湯をそれぞれに、タオル五本ね」
これも支払う。
「お食事は、どうしますか? 朝夕は宿泊代に含まれていますが」
「いただくよ。まずは部屋を見てくるから、ここで」
「わかりましたぁ」にこやかだ。癒やされるぅ。
嫌な視線を感じて、振り返ると、四人が怪しげな人物を見るような表情をしていた。
「ロ、ロリコンじゃないぞ」
「じゃぁ」とマナミ。「ストライクゾーンは?」
「少なくとも二十歳以上! それから歳下!」
「一応、安心、ということにしておくわ」
「酷い!」
クスクス笑う四人。意味のわからない幼女はキョトンとしている。
とにかく、三階に。
部屋は、四人部屋と二人部屋。
どちらもベッドはシングルサイズよりも狭い。というか、長い。
まぁ、こっちの人の身体に合わせてのものなのだろうな。
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