139【ヌイグルミ】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
さらに翌日には、多くの窓にガラスがはまった。
ただ、毎朝、窓を開け閉めするヤルダさんには、申し訳ない。
なんせ、朝は、木戸を開けたら、そこにはめ込む。夕方には、窓ガラスを外して、木戸を閉める、という労働を強いることになったからだ。
これには、高校生四人が、申し訳ない気分だったようで、彼女に何かしてあげたい、と言ってきた。
「なら早めに起きて、窓開けをしたらどうだ?」
誰とは言わないが、約二名が苦笑い。
「その顔は、朝は起きれない、と言っているようなものだよな。ダメだぞ。せっかく野営で時間感覚を鍛えたのに」
とりあえず、頑張ります、と答えたが。
ふと、思い付いた。
「キヨミ」
「はい?」
「ヌイグルミは作れないか?」
「ああ。いいかも。それをプレゼントするんですね?」
「うん。そんなもの、この世界にあるとも思えないし、触ったこともないだろう。どうかな?」
いけるいける、とやる気満々だ。
「四人で商業ギルドに行って、お店の場所を聞いて、材料を買ってくるといい」
お金を渡す。いくらになるか、わからないからな。
四人は、うれしそうに買い出しに出ていった。
あれ、そういえば、何を作るつもりなのかな? まぁ、いいけど。
さて、運動場についてだが……。
設計から算出した素材量と肥やしになっているものの量を比較。うん、充分だ。
庭に出ると、ウーちゃんが、ラキエルの上で、くつろいでいる。ラキエルも満更でもないようす。上下関係が出来上がっているもんな。
「おぉ、サブ」
「やぁ、ウーちゃん。昼寝していると思ってた」
「こんな日は、陽なたぼっこじゃ」
「なるほど。そういえば、ウーちゃんは冬のあいだは、何をしてたの、湖で?」
「寝ておったな」
「あら。冬眠?」
「そこまではいかぬ。寝たり起きたりを繰り返しておったわ」
「そっか。腹減るだろう?」
「まぁ、多少はな。春が来るのが待ち遠しかったぞ」
「わかるわかる」
「獲物の肉が柔らかくなるからな。美味いぞ」
よだれが垂れそうなのを、ジュルッと啜る。それだけ美味いのだろうな。
オレは、彼女らと別れて、庭を散策。雪が降るのを頭に描きながら。
運動場はいいな。
しかし、玄関から門扉まで、それから門扉から道までが、雪に埋もれてしまうと、ちと大変だな。
除雪するにしても、何度もやってられない。それよりも、最初から融雪する仕組みがあれば良くないか?
よし、そこらへんも考えよう。
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