013【冒険者ギルドに行く前に】
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オレは彼を連れて、奴隷商会を出た。
ドアが閉じると、彼は大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出した。
「中は、そんなに酷かったんですか?」
「いやいや、快適というわけじゃないが、酷いということはない。宿屋の雑魚寝部屋よりはいい生活だった。ここのご主人はほかの仕事もしているから、奴隷にもある程度、金をかけてくれるんだ」
「あぁ、有名な方なんですね」
「元同僚。元冒険者だから、奴隷が辛いのは知っているんだ」
「なるほど」
歩きながら話をする。
「まずは商業ギルドに行きます。馬車と馬の手配をお願いしているので。馬の扱いは?」
「心配ない。裸馬でも乗りこなすし、馬車も大丈夫だ。ちなみにご主人は?」
「からっきし。それもあって、奴隷の購入を検討していたんです」
「そういうことか」
「馬の選択はお願いしますね。良し悪しは全然わからないので。そのあとで冒険者ギルドに行きます。そこで護衛依頼をした冒険者四人と合流します」
「わかった。出発は?」
もう夕方で、太陽が沈みそうだ。
「今日は無理ですね。商品も購入しないといけないですし」
「急いでいるのか?」
「本当は今日中と思っていたので」
「だが、今からだと夜の移動になる。明日にした方がいい。夜は魔獣が出る」
「わかります。となるとどこか宿屋が必要ですね、四人の冒険者も泊まれる」
「いい宿がある。そこに行こう」
「わかりました」
商業ギルドに入ると、すぐにギルマスがオレに気付いて来てくれる。
「お待ちしておりました、サブ様」
「別にギルマス自らではなくても、いいのですが」
「ご心配なく。代わりのスタッフを紹介するだけですわ。ランドルフさん、ご無沙汰しております」
「あぁ。アデリアさんもお元気そうですね」
「まさか、サブ様があなたを購入されるとは思わなかったわ」
「実は」とオレが冒険者ギルドでの四人のことを話す。
「なるほど。新人の指導ですか。でしたらランドルフさんは適任ですわね」
アデリアから女性スタッフを紹介され、彼女に付いていく。
馬車の確認。受け取りは明日の朝にしてもらう。
次に馬を見に行く。厩舎で馬を見ていく。もちろん、ランドルフが丁寧に。
こちらも明日の朝に受け取ることに。
スタッフと別れ、ランドルフと相談して、買い物をすることに。日が暮れると商店が閉まってしまうというので。それに冒険者ギルドはこの時間、依頼達成報告や買い取りなどで混んでいるそうだ。
買ったものは、明日の朝に受け取ることに。
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