129【屋敷とトイレ】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
馬車のところにいるみんなを呼ぶ。
「購入したあと、彼らとともに私が住みます」
「わかりました。どうぞ、中へ」
玄関を入ると、まずホールがある。ダンスパーティーは無理だが、数人の客を待たせられるだけのスペースがある。前方に階段があり、踊り場で左右へと分かれる造り。三階まであり、その上に屋根裏部屋。彼とメイドたちは、そこに住んでいるのだそうだ。
書字板に気付いたことをメモメモ。
厨房と風呂場は、要チェックポイント。
清潔に保たれている。
「調理は、誰が?」
「買い出しに出ているメイドのネイリンが担当しております」
「なら相談しながらやっていくか」
「失礼ですが、何を?」
「料理内容かな。味覚が違う人間には、その人に合わせた料理の方がいいよね。簡単に言うとそういうこと。詳しくはのちほどね」
「わかりました」
「住んでいて、気になる点はあるかな? 修繕なんかも必要でしょう?」
「何点か。リネンなども古くなっておりますし。ですが、サブ様方のお部屋を優先すればよろしいかと」
「いや。できうる限りの対処をしたい。それに必要な物資についても。もちろん、贅沢は認められないが、だからといって、ケチるつもりもない」
「しかし、それにはかなりの額が――」
「解決できる方法があるなら、それを解決すればいい。解決せずに放置することで、いくらの損失になるかを考えれば、おそらく安いものだろう」
セバスさんは、驚き、目を見張る。
「失礼ですが、サブ様は、商人でいらっしゃいますか?」
「ん? あぁ、言ってなかったか。そう、商人だよ。だけど、魔導具師でもある。そっちは商業ギルドに委託しているけどね」
「どんなものでしょう?」とギルマス。
「冒険者向けのものです」
出して、見せて、説明する。ギルマスは感心して見る。
それからトイレも見せてもらう。水洗ではなく、ボットン式?だ。
「汲み取り式?」ともいう。
「いえ、スライム式です」
出た! 定番! でも小説もマンガもアニメもトイレが出てくるの少ないんだよな。なぜ? まさか、アイドルはクソしない、という論理か! まぁ、いいけどね。
「登ってこない?」
「魔法障壁がありますので、魔石の魔力がなくならない限り大丈夫でございます」
「スライム式って、ふつうなんですか?」とギルマスに問う。
「ある程度の裕福な方は、取り入れておいでです。一般家庭では、排泄物は回収してもらい、肥やしにして、畑で使います」
「ちなみに」とランドルフ。「回収は、夜のうちに行なわれる。まぁ、小さい村だと自分たちで消費するがな」
「なるほど。ニオイはあんまりしないね。これもスライムが吸収しているのかな?」
「いえ」とセバスさん。「こちらも魔導具でございます」
「なるほど。ちょっと試してもいいかな?」
「試す?」
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