125【進む先と新たな魔導具とラキエルのひと言】
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少し短いため、3話連続投稿します(2話目)
その夜、これこれこうで、とあったことを報告した。
「さすがサブさん、テンプレ破壊しますね」とハルキ。笑っている。
「どこに行ってもあることだからな。武器を持てるだけ平和だよ」
確かに、と四人。
「それで」とランドルフ。「借家の方は?」
「うん。買い取りも含めて、空き家空き地はないとさ。ただ、ほかの町で良さげな物件があった。ミゼス町だそうだ」
「ミゼス町? 確か、温泉地ではなかったか?」
「そうそう。でもただお湯が出るってだけだそうで、今は閑散としているらしい」
「なるほど。場所的には良さそうではあるな」
「とりあえず、手付けを払って、検討することになった」
「手付けって、買うつもりか?」
「そうなる。話によると、王都の混乱で、大店が屋敷を手放したがっているらしい。調度品も一緒だから、それも込みの金額だそうだ」
「巡り巡ってってヤツか」とほくそ笑むランドルフ。
「だから、ミゼス町に行って、確認する必要がある」
「そこでダメなら、ほかを探すか」
「とりあえずは出発できると思うが、どうする?」
「そうだな……よし、明日、出発しよう。行きに、冒険者ギルドに寄って、兄貴にミゼス町へ向かうことを伝えておく。もちろん、暗号でな」
それで、明日は、朝飯食べてから、出発することにした。
女将さんに、となり村に向かうことを告げ、馬車で出発。冒険者ギルドに寄って、ランドルフが兄貴さんに連絡を入れる。
それから番所に寄って、出発の許可を取り、金一封は商業ギルドの口座を教えて、入れてもらえるように頼んだ。やはり、口座があるのは、便利だな。あっ、口座残高の確認するのを忘れてた。まぁ、向こうでもいいか。
村の門が見えなくなるのを待って、馬車を停め、荷物をアイテムボックスにしまわせる。そのあいだに、オレは馬車に取り付けた魔導具を起動する。
「さて、ラキエル、行こう」
走りはじめると、ラキエルが立ち止まり、振り返った。怪訝な顔をしている。
「馬車が軽いだろ。浮かせているんだよ」
オレが手で、持ち上がる、というのを示して見せると、わかったのかわからないのか、気にする必要がないんだな、と思ったか、走り出した。
「前に」とランドルフが気付いた。「キヨミが浮遊魔法を使ったのと同じか」
「そう。あれを魔導具を使ってやっているんだ。これでラキエルはただ走っているだけに近い感じで走れる」
「車輪の内側に付けていたのは?」
「ただの羽根さ。風でまわる仕組み。走っているのに、車輪がまわらないのは気味が悪いだろ」
「あっ、なるほど」
「まぁ、本当は、速度に合わせたいんだが、そこまでの仕組みを考えるのが、面倒臭いからな」
これでラキエルも気楽だろう。
『どうせなら、馬銜を外してくれよ、だそうじゃ』とウーちゃんの念話。
クソッ、おまえのことを考えてやったのに!
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