123【ダルトン出発と今後の話】
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少し短いため、3話連続投稿します(3話目)
こちらも少し長いです(汗)
戻ると、部屋には誰もいなかった。
厨房では、女子ふたりが、ダルトン用の料理を大量に作っていた。そばには女将さん。
ほかの奴らは?と聞くと、ランドルフは冒険者ギルドへ、ダルトンと男子ふたりは買い物に出かけた、と言う。
ふむ。ということは、ヒマということか。必要な魔導具は今のところ、ない。ポーションも充分ある。いや、ウーちゃん用のマジックバッグを考えねば。
ウーちゃんは、女子部屋で昼寝するとか。意外と疲れたか?
ダルトンは、全員、揃うのを待たずに出発した。ランドルフとウーちゃんに会わずに。彼は徹夜で走るそうだ。
ランドルフは冒険者ギルド、ウーちゃんは昼寝続行中。もう夕方よ?
ウーちゃんを起こして、夕食。ランドルフも戻ってきた。
夕食後のお茶休憩。ランドルフが口を開く。
「さて、この先どうするか、だが」
「まずは、服の購入。ウーちゃんにもオレたちにも着替えが必要だ。季節に合わせた服装の必要性もある。それから旅のあいだの食べ物もあるな。もちろん、オレの収集能力でも収集はするが、収集物が少なくなる、またはなくなる可能性もある。ここでも冬は来るんだろう?」
「ああ。雪が積もれば、身動きできなくなる。冬籠りの必要があるだろうな。あとふた月ほどもすれば、冬だ」
「あまり時間がないな。適切な場所はあるか?」
「王都、と言いたいが、混乱しているあいだは無理だな。となると、ここを含めた町や村だろう。その中でもある程度の裕福さが欲しい。それから商業ギルドと冒険者ギルドがあるところ」
「それは?」
「まず情報を得やすい。仕事も得やすい。それから王都との連絡ができる」
「確かに。大事な点だな」
「逆にそれらを捨てて、湖という手もある」
「戻るってことか」
「あそこなら自由にやれる。まぁ、ダルトンとも連絡がつかなくなるがな」と笑う。
「それはさすがにダルトンに悪いよ」
「冗談だ。その手もある、ということだ」
「だな。ということは、ある程度のところならば、冬籠りして生活できる、か」
うなずくランドルフ。
「とすると、このままここで過ごす、という手もあるわけだ」
「宿屋住まいは金がかかる。金の心配はしていないが、不審がられるな」
「そうだな。こういう場合、家を借りるってのがテンプレなんだが」
「たまに言うが、“テンプレ”ってなんだ?」
「オレたちの世界にあるこちらの世界の物語で出てくる決まりごと。ギルドがあったり、冒険者がいたり、月がふたつあったり、魔法があったりなどなど。オレたちの世界にはギルドも魔法も冒険者もない。月もひとつだ」
「想像できんな、そんな世界」
「わかるよ、その気持ち。それはともかく、借家とかないかな?」
「どうかな? 商業ギルドの管轄だろうな」
「なら明日、行ってみるか。なかったら別の町や村を探そう」
「あの」とキヨミ。「それって、土地を借りるとかもありでは?」
「そういえば、クマさんが土地を購入して、飲食店を開いていたな」
「そうですそうです」
同じ作品を見ていたか。まぁ、有名な作品だったからな。知っててもおかしくない。
「土地だけなら」とエイジ。「自分たちで家を建てられますよね」
「建てられるだろうけど、たぶん雪が積もったら、重さで潰れるぞ」
「あっ」
「建てるなら本職さんにお願いしよう」
「ですね」と苦笑い。
「でも」とキヨミ。「建てるとなると、時間がかかりますよね」
「そうだな。たぶん、今から頼んでも、あれこれあって、ふた月は厳しいかもな」
「それよりも借家か家の購入だな」とランドルフ。
「そうだな。ラキエルもいるから、ある程度の広さが必要か。いろいろと大変だな」
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