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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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118/648

118【ウーちゃんあれこれとスクロール】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し短いため、3話連続投稿します(1話目)

 女将さんに、ひとり追加は可能か尋ねた。女性だと聞くと、女子部屋が三人部屋だから、一緒の方がいい、と言う。ということで、ひとり追加分の支払いをすませた。

 それから、女将さんの古着を売ってもらえないか、相談。ダメもとである。

「いやぁ、みすぼらしい格好なんで、街なかを歩かせるのにちょっと。新しい服を買うにしてもちょっと」

 女将さん、見せてごらん、と。

 仕方ないので、風呂場に案内。

 脱衣所へとウーちゃんに出てきてもらう。もちろん、裸である。隠しもしない。

「こりゃ、べっぴんさんだね」

「そうであろう、そうであろう」と胸を張るウーちゃん。

「わかった。売るよ。悪かったね、戻っていいよ」

 こうして、女将さんに古着を売ってもらえた。着方は女子ふたりに任せた。


 ランドルフが帰ってきたのは、夕食を食べようとしていたときだった。

 ドアをノックし、許可を得て、入ろうとしたランドルフは固まった。

「誰?」だが、すぐに気付いて、弛緩した。「もしかして、ウーちゃん?」

「うむ、儂がウーちゃんじゃ」

「ああ、はじめまして?」

「初めてではないな、ランドルフ」

「やっぱり、エッヘ・ウーシュカのウーちゃんか。本当に名前は、ウーちゃんでいいのか?」

「気に入っておるぞ」

「そうか。オレの飯は?」とマナミを見る。

 マナミは、笑顔で、アイテムボックスから彼の分を用意した。

 みんなで、いただきます、して食べる。


 食後のお茶休憩。

「暗殺者の情報はなかった」とランドルフの報告。「だいたいはあのホモギルマスの言ったとおりだ。貴族や大店(おおだな)が搾取されて、地位を落としたりで、力を失いつつあるとか。冒険者ギルドと商業ギルドが混乱を抑えているそうだ」

「まぁ、そうそう混乱が収まるとも思えないよね」とダルトン。「どうする、サブ?」

「暗殺者の動向が掴めないのは、歯痒いな」

 ふたりがうなずく。

「ダルトン、頼めるか?」

「それしかないよね。はぁ、またソロ活動かぁ。マナミィ、旅のあいだの料理、作ってもらえるかなぁ?」

「どのくらい、用意すれば?」

「最低でも七日。できれば、もっと」

「わかりました。美味しいのを用意しますね。でもマジックバッグですよね? 冷えちゃいますよ? 腐っちゃうだろうし」

「ウッ! そこをなんとか」

「ダルトンのは」とオレが追い打ち。「重量軽減だけだからな。腐るなぁ」

「クソッ! アイテムボックス、貸せ!」

「さすがにスキルだから無理」

 ガックリ落ち込むダルトン。

「そんなダルトン君に朗報です。ほい」

 アイテムボックスから、ひとつのスクロールを取り出して渡す。

「な、なんのスクロール?」

「大丈夫大丈夫。悪魔のスクロールだから。ほれほれ、開けなさい開けなさい」とニヒヒッと悪魔の笑みで急かす。

「こ、怖いよ、なんだよ」

「意気地がないなぁ。朗報だ、って言ったでしょ。男の子だったら開きなさい」

「わかったよ! このっ!」とスクロールを開いた。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)

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