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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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114/648

114【ホモギルマスと謝罪】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し短いため、3話連続投稿します(3話目)

「おまえたち、どういうことだ?」とバッケル。

「話は、ギルマスの前でする。だから、聞きたいだろうが、今は我慢して欲しい」

 バッケルは渋々うなずいた。ほかの面々も、何も言わない。よほどのことなのだろう、とわかったのだ。


 門衛たちが、《探索の神獣》の帰還に騒ぎはしないが、帰りをよろこぶ。みな、この村の出身なのだろう。

 ギルドカードを提示して、門の内側に入った。門衛近くの小屋で、ゲイルを待つ。黙って待つ。


 ようやく、ゲイルが戻ってきたのは、オレたちが燻製魚とオレ特製のスポーツドリンクで、昼食しているところだった。

 手早く昼食を終え、冒険者ギルドに向かう。

 つもりだったのだが、ゲイルには別のところへと案内された。以前にお世話になった宿屋《山羊跳ね亭》だった。

 すでに話も通っていたらしく、女将さんが食堂に通してくれた。

「ギルマスから、こちらで待つように、と」とゲイル。「ギルマスからもお話があるそうです」

「わかった。すまないな、ゲイル」

「いいえ。あっ、それから例のご依頼はすべて完了しています」

「ありがとう。みんなは元気にしているか?」

「はい。本当は依頼で村を出るところだったのですが、出発を伸ばしました。期限に余裕があるので、ご心配なく」

「そうだったか。助かる」

 そこへギルマスが来た。交代で、ゲイルが出ていく。

「遅くなったな」

「いえ、今来たばかりです」

「うむ。《探索の神獣》、みな無事だったか。よかった」

「はい」とバッケル。「魔獣の大逃走に巻き込まれ、命からがら逃げるうちに、湖にたどり着き、彼らと出会いました。それでしばらく準備を整え、やっと戻ってこれました」

「大逃走に湖?」

「その報告はのちほど。サブ、そちらの話を優先してくれるか?」

 オレはうなずいた。

「ギルマス、まず聞きたい。彼ら《探索の神獣》は、信頼できるか? 国王のまわし者ではないか?」

 バッケルたちは、反論を我慢していた。

「彼らは、この村の出身だ。それに森の探索が主な仕事だ。信頼できる。それに王城の件は、彼らが森に入ったひと月後のことだ。関係はない」と断言。

「ありがとう。ギルマスの言質が欲しかったんだ。バッケル、疑っていたわけではない、と言いたいが、暗殺者が差し向けられていたんで、半信半疑だった。すまない」と頭を垂れる。オレたちのパーティー全員が頭を垂れた。

「謝罪を受け入れる。暗殺者と言ったか?」

「ああ。一種の犯罪行為をした結果だ。どうやらオレたちを捕えるのが目的らしい」

「それであそこでの逃亡生活だったのか」

「それもあるが、オレたちには対抗できる力がなかった。だから鍛えていたんだ。初めて会ったとき、ふた月前に飛ばされてきた、と言ったが、本当はひと月前にあそこに到着したんだ」

「そういうことか。いや、待て。あそこまでどうやって踏破したんだ? オレたちでさえ、長年やっているが、踏破したこともないんだぞ」

「キヨミの魔法で浮遊しながら、だな」

「いったいどれだけの魔力を?」

「彼女は、大魔法使いなんだ」

「はい? 大魔法使いは伝説の存在だぞ」

「らしいな。だが、実在している、ここに。まぁ、その話はあとでな。ギルマス、あれから状況は?」


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)

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