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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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111/648

111【グレイハート湖の名前の由来と《探索の神獣》の誇り】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し短いため、3話連続投稿します(3話目)

「そういえば」とエイジ。「この湖、名前はあるんですか?」

「グレイハート湖と呼ばれているよ」と答えたのは、バッケル。「まぁ、“幻の湖”とも呼ばれている。なぜならここにたどり着けたのは、これまでたったひとりだったからだ」

「たったひとり、ですか」

「うん。グレイハートという冒険者だ。彼はオレたちのように、森を彷徨って、この湖を発見した。残念ながら彼は帰還を果たせなかった」

「えっ? ならどうやって、ここのことを?」

「彼はテイマーで、鳥型魔獣をテイムしていた。その魔獣を伝言鳥にして、家族に手紙を送り続けた。助けは期待していなかったそうだ。というか、危険だから探そうとするな、と書いていた。冒険者ギルドでもどうするのか、意見が割れたそうだが、捜索隊は出さなかった。二次被害の可能性が高かったからな」

「でも、付近に人が住んでいた形跡なんて見なかったですよ?」

 バッケルがほくそ笑む。

「残っていないだろうな。もう百年以上前の話だから」

「もしかして」とオレ。「バッケルたちは、この湖を探していたのか?」

「それはなくはないが、到達できるとは考えていなかった。オレたちは、町に利益をもたらすようなものを求めていたんだ。あと、危険なものも。そうしたことをギルドに報告して、対価を得ていた。そうした情報があれば、ギルドは冒険者に場所を指定もできるし、危険性も指摘できる。冒険者はそれにより、装備を整え、行動できる。また、依頼受注の可否を判断できる」

「大変な仕事だな」

「ああ。だが、それでほかの冒険者が無事でいてくれる、それがオレたちのよろこびだ」

 《探索の神獣》の面々が、いい顔をしている。誇りに思っている人たちの顔だ。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)

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