110【秘密会談】
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少し短いため、3話連続投稿します(2話目)
オレたちの準備は整った。明日は早朝にここを出発する。
夕方、ダルトンに呼ばれて、ランドルフとともに集まった。三人だけで。
「街道に出たらの話をしたい」とダルトン。
「彼らとともに行動するか、別行動するか、だな?」とランドルフ。
「そうだよな」とオレ。「彼らはもともとここにはいない存在だ。そして、活動拠点の国が異なる」
うなずくダルトン。
「そう。だが、この国を知らないことになっているオレたちは、どこに行けばいいのか、わからない」
うなずくオレとランドルフ。
「となると、彼らを頼りに行動することになる」
「それしかないだろうな」とオレ。
「別れたら不審がられる」とランドルフ。
「なら答えは決まりだな」
オレもランドルフもうなずく。
「それを確認したかった。それとサブ、ウーちゃんは本当に来るのか?」
「ああ。信じられないか?」
「テイムしたからといっても、魔獣だ。しかも上位の」
「やられる、と?」
「そこまでは……いや、正直、そう思っている。怖いよ」本音か。
「ふたりには言っておくか……ウーちゃんは、人化する」
「なっ」思わず口を塞ぐダルトン。
まわりには、気付かれていない。よかった。
「マ、マジか?」
うん、とうなずくオレ。
頭を振るランドルフとダルトン。
「サブ、おまえ、どこまで非常識なんだ」と呆れたダルトン。
「これでも前の世界じゃ、常識人だったんだぞ。だいたい非常識なのは、ウーちゃんだろうが」
首を振るふたり。
「認めたくないのは、わかる」とランドルフ。「だが、実際、おまえは規格外だ」
そうだそうだ、とダルトン。
「どこが」とは言ってみたものの……。「言わなくていい」そう、自信がないのだ。
「だよね。自覚できるくらい規格外だから」と笑っているダルトン。
「魔導具はじめ、魔法剣やポーション。ほかにもトイレやお風呂などなど」とランドルフ。「そこまで実現できる人間はいないぞ」
「お褒めの言葉と思うことにするよ」
「でさ、ウーちゃんが人化できるのと安心できるのと、どう関係があるのさ?」
「彼女いわく、世の中を見てみたいらしい。それに襲うならとっくの昔だろう?」
「そうだな」とランドルフ。「帰ってきた時点で襲われてもおかしくなかったな」
「そういうことだ。彼女を信じよう」
ふたりがうなずき、三人の打ち合わせを終了する。
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