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異世界に勇者召喚されたけど、冒険者はじめました  作者: カーブミラー


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109/648

109【訓練結果と同情と】

続きを読んでいただき、ありがとうございます。励みになります。


少し短いため、3話連続投稿します(1話目)

「というわけだ」と締めくくるランドルフ。

 いや、わからんがな。

 簡単に言うと、野営しているところをアーマードベアに襲われた。撃退したあと、ウルフの群れの襲撃を受けた。血のニオイに誘われたのだろう、と言う。

「撃退はしたが、みんな、ケガをしてな。特にガルーラがかなりの深手を負った」

 竜人のガルーラを見る。それほどのケガをしているようすはない。

 そんなガルーラが言った。

「おまえのポーションは、エリクサーか」と呆れて。「飲んだだけで、即刻完全治癒したぞ」

「みんなのキズも少しかけたら、治癒した」とランドルフ。

 念のために、と持たせたポーション。オレの自作である。鑑定さん指定の調合で作成した。材料がたくさんあったのよね。ここに来るまでに収集してたから。

「おかげで助かったよ。片腕を失うところだった」とガルーラ。「ありがとう」と頭を下げる。

「役に立って、よかったよ」

 うん、本当に。片腕なくなったら、冒険者辞めることになるかも。


 昼飯は、マナミも作る気力がないみたいで、オレが作った。でもこの人数分だ。たいしたものは作れない。

 そこで薬草や湯がいた根菜を鍋に入れて、蒸すことに。それからオーク肉を焼いてステーキに。スープはマナミが作り置きしてくれたものを出す。そんなに減っていないから。


 ダルトンは、復活(それでも音量を下げて)し、話し出した。

「みんなの力が発揮されたと思うけどさ。森を抜けるのはまだまだだね」と辛口。

「確かに」とバッケル。「連携は大丈夫だった。でも、魔獣によっては倒すのに時間がかかってしまっている。早く戻りたいという焦りがあるのだろう。だが、このままで森に挑めるとは思えん」

「そうだな」とランドルフ。「それに抜け出す際には、サブとラキエルも一緒だ。その分、移動速度が遅くなる」

 オレは首を傾げる。あぁ、そうか、話してなかったな。

「悪い。話してなかった。ウーちゃんがいれば、魔獣は寄ってこないぞ」

 みんなの顔がこちらをギギギッと音がするように向いた。

「ウーちゃん、来るの?」とマナミ。

「うん。ついてくるってさ」

「やったぁぁぁ!」とバンザイしてる。

 よかったね、とキヨミがマナミの頭をポンポンしている。

「えっと、つまり」とダルトン。目が見開かれている。「エッヘ・ウーシュカと旅するわけ?」

「そうなるな。本人も言っていたが、ウーちゃんと一緒なら、下っ端の魔獣は寄りつかないとさ」

「そりゃ、そうだろうけど……ウーちゃん、ホント?」

 ウーちゃんがダルトンを見た。

 でも、そのときのウーちゃんの念話は?

『ウザいのぉ』でした。

「本当だって」と代わりに答えるオレ。

「となると」とバッケル。「だいぶ違う状況になるな」

 みんながうなずく。

「だから」とオレ。「オレとラキエルが足手まといにはならないわけだ」

 ラキエルが嘶く。そうだよな、足手まといと思われたくないよな。オレもおまえも。

『サブと一緒にするな、とさ』とウーちゃんの念話。クソッ! オレの同情を返せ!


 ということで、数日は体力の回復と準備に取りかかることにした。

 オレはポーションと魔導具を、マナミは食事を、ほかは魚や魔獣を狩り、薬草などを採取する。

 ウーちゃんもラキエルとともに、走りまわっている。ラキエルのお誘い遊びは、ほぼウーちゃんの存在で、失敗ばかり。まぁ、こっちに相手をしている余裕がないのだが。


読んでいただき、ありがとうございます。面白ければ、ブックマーク、評価をお願いします。励みになりますので(汗)

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